HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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地図で宇宙を旅する『宇宙の大地図帳』

 

『宇宙の大地図帳』監修 渡部 潤一(宝島社、2017/6/23)

 

本書は技術の進歩により宇宙の正確な地図が分かり始めてきたことから、宇宙の星々の美しい姿を豊富な写真とともに、宇宙地図を頼りに部屋に居ながらにして宇宙旅行を楽しんでもらうことを目的としている。監修は自然科学研究機構国立天文台副台長の渡部潤一氏だ。

本書の構成は、
第1部 空間と宇宙「地球から宇宙の果てへの旅」
第2部 時間と宇宙「誕生から100兆年後の未来」
となっている。

本書は見た目も内容も普通の本と変わらないが、ただ一つ、普通の本と違うところは、第1部の各章が距離になっているところだろう。

最終章になると、そんな数字があったのかというほうが先で、まったくどれくらい離れているのか想像もつかないくらいになる。

第1章にあたるのが10万kmで、最終章である第14章が1000垓(10の23乗)kmとなっているのだ。ちなみに、通常の本の第2章にあたる箇所は1億kmで、紹介されているのは、金星、太陽、水星、木星だ。

距離に驚くというか、どれくらい離れているのかを考えるのは、それはそれで面白いのだが、それ以外にも命名に笑ってしまうものや格好いい名前を付けられた天体があるので、それらを見ているだけでも面白い。

例えば・・・
・魔女の横顔星雲(地球からの距離 8.2×10の15乗km)
ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド(地球からの距離 1.1×10の23乗km)
・ヒミコ(地球からの距離 1.2×10の23乗km)
などだ。

特に「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド!」なんかは、手から光線を出したつもりで、叫びたくなるのは私だけではないはずだ。

第2部は、100兆年後の未来ということで、これまた気が遠くなるような数字が出てくるので、本書が”桁数の多い数字が好きなマニア向け”のような本にも思えてくる。

このように、宇宙には私たちが生きている日常では計り知れない距離や時間の流れがある。そして、これからも続いていく。われわれ人間はそれらに想いを馳せて、想像の世界でワクワクしたり、ドキドキしたりするのもたまには必要ではないかと思う。

そういったときにお勧めしたい一冊、それがこの『宇宙の大地図帳』である。いろいろな意味で、自分の小ささが分かる本である。