ホリエモンが教育を語るのは珍しいなというのがタイトルから感じた最初の印象だった。
中学生時代にプログラミングにはまり、親を納得させるために猛烈に勉強し東大に入ったホリエモンが、教育についてなにを語るのか興味があった。
この本を読むとそこで語られていたことは、単なる教育論ではなく、国家論であり、人生論であった。
まず、教育については「洗脳」であるとバッサリ切り捨てる。
そもそも学校教育が洗脳的であるとの批判は常にある。憲法に義務教育(教育を受けさせる義務)があり、そのもと戦後まもなく作られた教育基本法がある。教育基本法が古くさ過ぎて平成18年に改正されている。
(改正されたがあまり変わっていない)
なので、教育とは法律に則った「洗脳」であるとはその通りなのだ。
この「洗脳」をしているのは「国家」であるとの指摘も上記の通り至極真っ当だ。その「国家」も虚構であるとの指摘ももはや真っ当だ。
この2つを踏まえてのホリエモン的人生論が本書の魅力だ。人生を楽しむ方法がここにある。
学校教育的な勉強は、「貯金」であるとホリエモンは言う。
貯金はいくらあっても不安は拭えないものだ。これと同じように学校教育的な勉強をし、いくら資格を持っても不安は拭えない。
学習することを「投資」と考えると楽しくなるという。自分がやりたいと思ったことについて没頭し、必要なことはその都度学習するのだ。そうすると勉強が全て能動的になる。
私事になるが、今までの人生でかなりのものにハマってきた。
幼稚園児の時に一輪車に乗れたらモテるんじゃないかと思い、一輪車に没頭し、小学生の時は同じ理由でリコーダーにはまった。
中学に入ってからは、将棋にはまり、そのあとサッカーにはまった。大学に入ってから、塾講師のバイトにハマり、そのあと数学にはまり、読書にハマる。
大学院の時は論文を読みコードを書く事にハマり、今は平日は仕事に没頭し、休日はやりたいことをざっくばらんにやっている。
本書にも記載があるが、ハマるとは週一回やるとかではなく、毎日毎日それだけをやり、寝食を忘れるくらいやることだ。ハマった経験がない人がいるなんて理解できない。
もちろん、時々で否定や反対、挫折もしたがそんなのどうでもいいと思っている。
学生の時、地理の授業なんて受けた記憶がないが、サッカーにハマったおかげでヨーロッパの主要都市はだいたいわかるし、高校の時の英語の点数はひどいものだったが、大学院の時に論文を読むことにハマったおかげで海外に1人でふらっと行けるくらいの英語力が身についた。
ホリエモンの言う通りだ。
やりたいことをやれ。ただそれだけだ。