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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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メディアで話題にならない話題作 『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』著者 梶山三郎(講談社)

本書はトヨトミ自動車(名前から誰もがあの企業を思い浮かべるだろう)の創業者一族というタブーに切り込んだ作品のため、トヨトミ自動車からの莫大な広告料に配慮しメディアでは話題にならなかった隠れた話題作である。

愛知の田舎企業から日本有数の自動車企業となったトヨトミ自動車。同社の社長に、豊臣家出身でない武田が就任した頃から話は始まる。元はマニラに左遷された問題社員だった武田は、トヨトミ自動車社長として、中国、アメリカへの進出を成功させ、8兆円の売上高を12兆円まで押し上げた。しかし、武田はトヨトミ自動車をグローバル企業に転身させるべくトヨトミ家を飾り物にしようと画策するうちに失脚する。
武田の3代後に大政奉還と言われて、トヨトミ自動車社長となった豊臣統一が、トップとしての力量を示せないなか、トヨトミ自動車は、リコール問題や新たな電気自動車の問題に飲み込まれて行く。
虚実をないまぜにしながら、宗教団体とも言えるようなトヨトミの城下町、日本の自動車産業の問題点、豪放磊落な経営者武田剛平、武田にコンプレックスを持つトヨトミ家のプリンス統一を描く本作のテーマは、トヨトミ自動車の日本における影響力の大きさから、日本国民の関心をつかまえて離さない。

 

『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』

著者 梶山三郎(講談社

https://goo.gl/BuoQi5