HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】小学5年生の第二次成長期漫画『ヒナのままじゃだめですか? : 1』

本作は小学校5年生の男女が主人公だ。これまでは男女関係なく遊んでいたが、男女を意識し始める年齢。身体に変化が出てくる年齢のころ。第1巻では主人公のヒナに生理がきた。友達の大地と仲良くできなくなってきた。

 

本作は第二次成長期を題材にした漫画だ。偶然Xで流れてきたので興味を持ち読むことにした。主人公のヒナは身長が小さいが生理が始まった。父親にも友達にも言えない中、幼馴染の大地に血が出ているのを気づかれる。大地に協力してもらってドラッグストアへいくが、、、。

 

本書では第二次成長期の男女について学ぶことができる。男性の自分には知らないことが多かった。是非娘を持つ父親に読んでもらうのがいいかもしれない。非常に勉強になる作品だ。

 

 

【書評】『リーチ先生』 - 文化の架け橋としての陶芸の物語

皆さんこんにちは。『リーチ先生』は、バーナード・リーチというイギリス出身の陶芸家と、日本人青年沖亀乃介の交流を中心に展開します。この物語は、一人の外国人芸術家が日本文化に魅了されたという話ではなく、異文化間の深い理解と絆の形成を描いたものです。

横浜の洋食店で給仕として働いていた亀乃介少年。彼は偶然にも高村光太郎と出会い、その縁で光太郎の父である彫刻家・高村光雲の書生となります。この新たな生活が彼の運命を大きく変えることになります。光雲のもとで働いている時にリーチが訪れ、亀乃介が通訳としてリーチとの初めての会話を助けることから、彼らの15年間にわたる共同作業が始まります。

亀乃介はリーチとともに陶芸の世界に足を踏み入れ、日本での陶芸生活、英国への渡航、陶芸窯の立ち上げといった多くの冒険を経験します。リーチの芸術への情熱と、亀乃介がそれに応える形で成長していく様子が、読者に深い感動を与えます。この物語は、単なる師弟関係を超え、互いに異なる文化背景を持つ二人がどのようにして互いを理解し、尊重し合うかを見事に描いています。

リーチの陶芸に対する哲学と技術が、彼の作品だけでなく、彼と亀乃介、リーチの周りの日本の友人たちとの関係を通じても表現されている点は特に注目に値します。この友人たちが豪華メンバーで、前述の高村光太郎はじめ志賀直哉らの白樺派の面々や岸田劉生も登場します。

この小説は文化的な壁を越えた真の理解と友情の可能性を探るものであり、そのプロセスで亀乃介とリーチの人生がどのように変わったかを描いています。読者にとっては、異文化間の交流が個人の成長にどのように影響を与えるかを考えさせられると同時に、師弟を超えた関係に感動させられます。

 

 

【書評】埋めるだけで仕事が進む『ビジネスフレームワーク図鑑 すぐ使える問題解決・アイデア発想ツール70』

フレームワークが好きだ。私はテンプレを作って次に行くのが仕事だと思っているが、本書には優れたフレームワークか70個も載っている。これを埋めるだけで、あるいは部下に埋めてもらうだけで仕事が進む。

 

フレームワークとは、目標達成や経営戦略、課題解決に役立つ思考の枠組みのこと。 フレームワークがあればスピーディーに問題解決ができる。

 

夢いなところでは重要と緊急のマトリクスがそうだろう。重要で緊急でないものはスケジュールをまず決め、重要でなく緊急なものは外注しようというやつだ。

 

他にもSWOT分析ガントチャートなど有名なものも紹介されている。本書の私の使い方はこうだ。

 

例えば何かを考えなくてはならない時、パラパラとめくってフレームワークをきめ、埋めていくことで解決を図る。あるいは、部下にフレームワークを渡して埋めてもらうことで、問題を解決してもらう。フレームワークがあれば、埋めるだけで問題解決ができる。

 

ぜひ、フレームワークを使いこなしてスピーディに仕事をしよう!

 

 

【書評】新世代のマネジメント術『部下を育ててはいけない』

本書はインフルエンサー 田端 信太郎氏が唱える、従来のマネジメント理論を覆す、挑戦的な内容のビジネス本である。
部下の能力を引き出し、ズバ抜けた結果を出し、社内外を問わず一目置かれるリーダーとなるための「上司力改革25箇条」が記されている。

本書ではまず第一に、部下はリーダーが育てるものだと「世の中のリーダー」は勘違いをしていると言う。そして「これからのリーダー」は、部下全員が思い通りに育つわけがないのだから、限られた時間の中でリターンの見込みがある部下だけを選別すべきだと主張している。

また、リーダーは部下を動かすのではなく、部下が自主的に動き出す仕組みを作ることを説いている。そして、部下を「監督」するのではなく「応援」するなど、やる気を出させるムード作りが重要であるという。
詳細については是非直接読んでもらいたいのだが、その他にも様々な角度から、独自の視点で具体的な手法を丁寧に解説してくれている。

本書は、現代のマネジメントに新たな視点を提供する一冊であり、自分の部下育成法に悩んでいる管理職の方や、新しいマネジメント手法に興味があるリーダー達に特におすすめだ。

本書をきっかけに、新しい日本のリーダー達が、日本に活力を与え、リードしていくことを期待して止まない。

 

 

【書評】現実が後退していく。『ユービック』

短篇『宇宙の死者』と同様の世界観を持った本作。つまり、人間が死後、或る程度の期間「半生状態」にあるという未来だ。遺体は安息所で冷凍保存され、遺族は棺を通して半生者との脳波の交換、対話が可能だ。そして、「半生期間」が終わると本当の死が訪れるが、その期間は人それぞれだ。
また、超能力者の存在が当たり前になっている未来では、反作用的に自然発生した反能力者「不活性者」達が居るが、これも短篇『超能力世界』と同じである。
しかしながら、そういった舞台設定こそ短篇等と共通しているものの、ディックは全く別物の傑作を生み出した。

金銭にだらしがなく生活に困窮している普通人の技師 ジョー・チップは、不活性者達が勤務し、超能力者達から人々をガードすることを目的とした警備会社に所属していた。
彼の雇い主のグレン・ランシターと11人の不活性者達と共に、ジョーは超能力者を引き連れた敵対組織と対決するべく月面へと向かう。
しかし、到着直後に強烈な爆破を受け、ランシターは瀕死の状態に陥る。
辛くも逃げ帰ったジョー達は、絶命する前にランシターを半生状態にしようと努めるが、脳波の動きこそ確認できるものの、彼との会話は成立しない。
そしてジョー達の周囲に異変が起き始める。
タバコ、コイン、コーヒー、車、あらゆる物が古びていく。やがて街並み自体も含め、全てが1939年に向かっていく。
異変はもう一つ。それは、映話機、広告、テレビ、それらからランシターの一方的なメッセージが届き出したのだ。
不可思議な退行現象の中、仲間が一人ずつ急速な老化で死んでいく。
ジョーは、ランシターからのメッセージに基づき、唯一この退行を止められるという「ユービック」を入手しようとする。
退行現象の原因は?
ジョー達の敵は何者なのか?
これは現実なのか?
謎、謎、謎、全てが謎だ。

少し暗めなムードで進行する本作。
ディックの作品中でも極上に面白いSFミステリーだ。

ユービック
作者: フィリップ・K・ディック 
発売日:1978年10月15日
メディア:文庫本

 

 

【書評】巨匠の生涯と名画の秘密 - 『カラー版 1時間でわかるカラヴァッジョ』

皆さんこんにちは。バロック美術の天才画家、カラヴァッジョ。彼の生涯と作品について深く知りたいなら、「カラー版 1時間でわかるカラヴァッジョ」がおすすめです。

カラヴァッジョとは
カラヴァッジョは、西洋美術史上最大の巨匠であり、イタリアが世界に誇る天才画家です。彼は17世紀バロック美術の礎を作り、その様式や技法によって、西洋美術史上、最も大胆な改革をなし遂げました。

本書の特徴
本書は、「カラヴァッジョ入門」として最適な一冊です。著者の解説とともに豊富な図版が収録されており、読者はカラヴァッジョの人生や芸術について深く理解することができます。彼の人生は波乱に富んでおり、殺人事件を起こして逃避行するなどのエピソードも詳しく紹介されています。

105点の名画解説
本書には、カラヴァッジョの名画105点がカラーで収録されています。その作品ひとつひとつについて詳しい解説があり、彼の生涯とバロック絵画についての教養が身につきます。また、彼がもたらした西洋美術の革命についても詳しく解説されています。

数奇な人生
カラヴァッジョの生涯は、暴力と犯罪に満ちていました。その数奇な人生は映画や小説、演劇でも度々取り上げられ、多くの人々を魅了しています。本書を通じて、彼の生涯を追体験することができます。

まとめ
「カラー版 1時間でわかるカラヴァッジョ」は、豊富な図版と詳細な解説、そして波乱に満ちた彼の人生を通じて、カラヴァッジョの芸術と人間性に触れることができます。あなたもこの本を手に取り、カラヴァッジョの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

【書評】短時間で理解できる『実践するドラッカー【チーム編】』

現代経営学、マネジメントを発明したドラッガーのことはビジネスマンなら誰もが知っているだろう。そんなドラッカーの内容を実践できるレベルまで落とし込んでいるのが本書だ。行動してなんぼの世界、実践しやすく落とし込んでいる本書から学ぶことをお勧めする。

 

実践するドラッカーは思想編、行動編とあり3冊目にあたるのが本書だ。本書ではチーム作りに関することがまとめられている。目標管理、評価、コミュニケーション、組織化など、ドラッガーの数々の書籍から抜粋し判り訳す解説している。

 

特徴的なのは章末に実践シートが付いていることだ。実践シートのクイズに答えるだけで、自身を見直し実践することができる。ドラッカーをサクッと学び、実践したい人にお勧めだ。結局実践してなんぼ。

 

 

【書評】『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』 - レジェンドたちの道のり

皆さんこんにちは。永田和宏氏の対談集「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」は、各界のレジェンドたちの軌跡を追う一冊です。山中伸弥氏(iPS細胞研究所所長)、羽生善治氏(棋士)、是枝裕和氏(映画監督)、山極壽一氏(京都大学総長)という、今やその分野の象徴とも言える人物たちとの深い対話を通じて、彼らが経験した失敗や挫折、そしてそれらを乗り越えた過程を綴っています。

この対談集は、ただ単に成功者の光り輝くエピソードを集めたわけではなく、彼らが「何者でもなかった頃」に直面した挑戦や疑問、自己との格闘に焦点を当てている点です。成功への道のりには、様々な挑戦が伴い、それをどのように測るか、どう捉え直すかが重要であるという教訓を私たちに与えます。

その中から一つの言葉を紹介します。羽生善治さんの「様々な種類の物差しを持つ」です。例えば、英会話を学ぶのに3年かかった経験は、次に新しい語学を学ぶ際に、「最初の半年は分からなくても当然」という心構えを持つことにつながります。このような「物差し」を持つことは、新たな挑戦において不安を軽減し、過程を楽しむための心の準備を整えるのに役立つのです。

永田氏との対談を通じて、各界のトップが共有するのは、成功への道は直線ではなく、挑戦と挫折の連続であるという認識です。本書を手に取ることで、読者は自身の人生における挑戦や失敗を新たな視点で見ることができるようになります。

特に若い読者にとって、この対談集は挑戦を恐れず、失敗から学び、前進し続ける勇気を学べます。人生の様々な局面で直面するであろう挑戦に対して、柔軟な思考と成長への意欲を持ち続けるための指針となりますので、ぜひ手に取ってもらいたいです。

 

 

【書評】サービス業のパラドックスを解き明かす - 山内裕『闘争としてのサービス』

皆さんこんにちは。山内裕 京大准教授による『闘争としてのサービス』は、サービス業における逆説的な現象と戦略に注目しています。「細やかに気配りし徹底的に尽くす」という従来のサービス提供理念が、実は最高の顧客体験を創出する上で逆効果になり得ると提案しています。

真逆のアプローチ
著者は、高級サービスにおいて「顧客の期待を超える」という目標が、実際には顧客満足度の低下につながることがあると指摘します。これは、顧客が単にサービスの受け手ではなく、サービス価値創造過程の能動的な参加者であるという視点に基づいています。サービス提供者と顧客との間で繰り広げられる「闘い」(勝ち負けではなく、競い合う意味で)は、互いに価値を高め合い、真に印象深い体験を創出する機会を提供します。

サービスのパラドックス
「満足させようとすると客は満足しない」というパラドックスは、サービス業界における不思議な現象です。提供側が客を満足させようと頑張ると、その瞬間上下関係が生まれます。客の立場が上になり、下の立場から受けるサービスの価値を低く感じます。顧客とサービス提供者の間の相互作用は、サービスの質と顧客の満足度を決定づける重要な要素です。高級サービス業界では、この相互作用が特に顕著であり、サービス提供者が顧客の期待を超えることを目指すのではなく、共に価値を創造しようとする姿勢が重要になります。

実体験の価値
『闘争としてのサービス』の議論は、実際に高級店を訪れることによってより理解できるものだと思います。この書評を書く過程で、高級サービス体験の背後にある哲学や顧客との深い関係性の構築に焦点を当てることの重要性が明らかになりました。実際に体験することで、サービス提供者と顧客の間の「闘い」がいかにして双方にとって有意義な体験を創出するのかを理解することができるでしょう。どなたか僕を高級店に連れていってください。

 

 

【書評】顧客体験をデザインする力 - 『マッピング・エクスペリエンス』

皆さんこんにちは。ジェームズ・カールバックの「マッピング・エクスペリエンス」は、企業が顧客体験を根本から理解し、見える化するための指南書です。本書は、顧客中心のビジネス戦略を深く掘り下げ、顧客が直面する問題を明確にし、それらに対処する方法を提供します。カールバックが提案する「連携ダイヤグラム」の作成手法は、今日の競争が激しい市場において、企業が顧客満足度を高めるための鍵となります。

連携ダイヤグラムとは何か?
連携ダイヤグラムには、カスタマージャーニーマップ、エクスペリエンスマップ、サービスブループリントが含まれます。これらのツールを使用することで、企業は顧客の経験を視覚的に表現し、サービスの改善点を特定することができます。カスタマージャーニーマップは顧客の購買過程を追跡し、エクスペリエンスマップはより広範な顧客の行動と感情を捉え、サービスブループリントはサービス提供過程の詳細を描き出します。

ダイヤグラム作成のプロセス
カールバックは、連携ダイヤグラムを作成する際に、初めに「たたき台」となるダイヤグラムを作成し、その後ワークショップでこれを深化させるという手順を推奨しています。このアプローチにより、チームは共通の理解を築き、顧客体験の改善に向けた具体的なアクションプランを立てることが可能になります。

まとめ
「お客様の声を大切にします」こう謳っている企業は多いでしょう。しかし、本当に顧客の声が聞こえているか、姿が見えているのか。この本は、企業が顧客の声を真に聞き、理解するための枠組みを提供します。顧客体験の改善は一夜にして成し遂げられるものではありませんが、「マッピング・エクスペリエンス」はその第一歩となるでしょう。