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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】人の持つ行動原理を探しにいこう『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』

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タイトルにある、『人を操る』という言葉は、人を動かす、と言い換えることができる。思い通りに服従させるということではなく、こちらの言い分を正しく伝えて納得してもらうための手法について言及されている。

基本原則の一つ、『相手の一貫性を理解する』は、トヨタのなぜなぜ思考を想起した。相手が取った行動に対して、なぜ?なぜ?と掘り下げて、本質を掴む思考は、まさに同じフレームだ。これを問題解決ではなく、人の見立てやマネジメントに使うという視点がなかったため、新鮮に感じた。

誰でも、自身の持つ一貫性においては合理的。その一貫性を見つけ出し、どのようなレスポンスが来るか予測しながら対話する。
これは、営業パーソンに必須のスキルなのではないだろうか。

目標設定の妥当性も興味深い。
【できる量×2】
月に1冊本を読んでいた人なら、2冊にする。5件のアポイントを入れていた人なら10件に。もちろん、ケースによって分母の妥当性はあれど、背伸びすれば届く目標設定目安になりそうだと感じた。

ミラーリング、好意の返報性、ピグマリオン効果など、どこかで聞いたことがあるかもしれない心理学用語。普段何気なくとっている行動や振る舞いに、心理学的な意味を発見することもできそうだ。購買行動に転用すると、行動経済学に通じるものがあるように思う。

IQ150の天才であっても、その知能を活用し、成果につなげる努力が必要だとあった。いろいろな法則が見えてしまうだけに、天才はちょっと大変そうだ。
何でも人より早く理解し、同時に多面的思考ができるとしても、そして、外からは最短ルートでゴールに到達しているように見えたとしても、本当は苦労も多いのかもしれない。
(評者 津田恵子)