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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】北の大地が熱くなる『黄色いバスの奇跡 十勝バスの再生物語』

この物語は倒産寸前の十勝バスがいかにして経営難を乗り切り、黒字経営に至ったか等というよくある話だと思わないで欲しい。これは主人公野村文吾(33)の成功を掴む迄の成長ストーリーでもある。そして本を読み終わった後もまだまだ先を知りたいと心掴まれる物語である。

この物語は、ある日文吾の勤め先に父が訪れ、会社をたたむ話から始まる。
歴史はあるが赤字経営である会社を背負った父と、その会社の筆頭株主の文吾。引き留めもせず、あっさり会社を閉める事を受け止める温度差がその後の物語を引き立てる。
お告げのような夢を見た後で、元々郷土愛に溢れていた文吾が、父の経営する「潰れる寸前の会社」十勝バスを救う為、大手ホテルを退職し、仲間もなく、コネもなく、文字通り身体一つで「潰れる寸前の会社」という魔窟に乗り込む。文吾の運命はいかに。
対立有り、和解有り、仲間との出会い有り。その一つ一つの物語の合間にColumnという作者のコメントが入る。
一つ一つの物語は短いが、その手法は朝の連続テレビ小説の様である。寝しなに読んで明日はどんなストーリーになるのかな?と楽しめるのも良い。

成長ストーリーと聞くと年端もゆかぬ少年や青年を思い浮かべるが、そうではない。幾つになっても自分は変われる、変えられる。と背中を押してくれる。今の自分に行き詰まっている人にこそ読んで貰いたい一冊である。

黄色いバスの奇跡 十勝バスの再生物語

黄色いバスの奇跡 十勝バスの再生物語