27歳の千葉早苗は、急死した父が遺した時計部品の製造会社を継ぐことに。公認会計士であり中学の先輩である川上に助けられながら、「儲ける会計」・MQ会計と「経営の制約を解く」TOC理論を駆使して父が遺した赤字企業が抱える問題に取り組んでいく。
【MQ会計】この本において会計の複雑さは「栓のない風呂」の水を測る事に例えられている。資金が常に循環し出入りする中で、経営者は発生するそれぞれのお金に対して「利益」「減価償却費」などと名前をつけ、管理しなくてはいけないのである。
経営者がお金の性質の見方を誤ると「見せかけの利益(実際は赤字)」が会社を蝕むことになる。それは大きな会社も、小さい会社も同じだ。
「経営の本質は利益を生む事である」。そんな常識にも一石を投じる一冊だ。
利益の測り方を間違えれば、より多く税金を払うことになる。黒字倒産が起こる。そんなトラブルを防ぐために経営者は正しい目盛りで測らなくてはならない。
【TOC理論】世界一生産性が高い企業とは、世界一製造能力が大きい企業ではない。世界一生産性が高い企業とは、その事業規模に関わらず、全ての企業機能が滑らかに滞りなく行われる企業である。例えば、製造する力が大きくても、釣り合う販売力がなければ在庫が増える。在庫が増えれば資金の流れが滞る。逆に販売力が大きくても製造能力が低ければ販売能力を持て余してしまう。
企業が最高の生産性を持つためには、第一に流れの滞りを解消するべきだと言うのがTOC理論である。
MQ会計とTOC理論をはじめ、経営を志す人が知るべき知識が豊富に散りばめられた一冊である。

なるほど、そうか! 儲かる経営の方程式 MQ会計×TOCで会社が劇的に変わる
- 作者: 相馬裕晃,西順一郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2019/08/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る