本書を手に取るまで“マーケティング”という言葉が意味するものが、私の中でどこか曖昧だった。全く外れてはいないのだろうが、とはいえ捉えられていない。私同様に言葉とその言葉が意味することを一致させられずに、モヤモヤしている人は少なくないのではないかと思う。書籍の利点は体系立てられた知識を吸収できるところにあると思うが、本書の良さはまさにそこにある。
マーケティングとは“売るための活動全て”、4P分析やセグメンテーションなどは“手法”である。当たり前の基礎知識かもしれないが、本書を読むことでこれらに対しあらためて整理をつけることができた。言葉にしてしまえば簡単なことではあるのだが、曖昧な意味合いで日頃使われているために正しい理解が進まない、そのようなことはビジネスの場では多いように思う。OJTを否定するつもりはないが、やはり体系立てて学ぶべきものについては書籍は良いメディアだ。本書はそう気付かせてくれる。
本書はマーケティングの基礎を体系立てて、とてもわかりやすく教えてくれる。また、読者と一緒にマーケティングについて学び自社のレストランを立て直す“売多真子”の物語も、実用性のイメージを膨らませてくれる。どの企業や部署、私生活にさえマーケティングの考え方は、一層必要になってくるだろう。部分的に掘り下げて誰かに聞く前に、ぜひ本書で基礎を知ることをおすすめしたい。

- 作者: 佐藤義典
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2006/12/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 13人 クリック: 64回
- この商品を含むブログ (28件) を見る