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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】憲政史上最長の政権は実現の理由は大きな挫折をしたからである。『安倍晋三 回顧録』

3188日という通算在職日数となった安倍晋三氏のインタビューを収録した本である。インタビューは合計18回・36時間に及んだが、あまりに機敏に触れるということで、一度本人が刊行を見送りました。結果としてこの本は、2022年7月8日の選挙演説中に凶弾に倒れて、帰らぬ人となってしまった安倍晋三氏の肉声を残した最期の本となってしまいました。

インタビュー内容としては、コロナ時の政権運営の様子から始まり、総理就任〜引退するまで時系列を追いながら書かれており、政権運絵の難しさや重要ポストへの人選の仕方、各国要人とのエピソードや桜を見る会などにおいての反省点も本人の言葉で語られています。インタビュー内容も本人が嫌がる内容もありますが、1つずつ丁寧に答えている様子が感じ取れました。特に印象深かったのは、やはり安倍晋三氏がなぜこんなに長く総理大臣を続けられたか?という点であり。その答えは第1次内閣の失敗と大きな挫折であったということを知り、失敗から学ぶ大切さや諦めない姿勢を学ぶ事ができました。

付録として安倍晋三氏の施政方針演説、首相辞任会見および岸田文雄氏、菅義偉氏、麻生太郎氏の弔辞、野田佳彦氏の追悼演説全文も書かれています。これらを読んでいますと凶弾で倒れた事が本当に残念でなりません。マスコミを通じて言われるような安倍晋三氏ではなく、本人から語られた行動や志を感じる事ができる本となっておりますので、少しボリュームはありますが歴代最長総理の生の声が聞ける貴重な本だと思いますのでぜひ読んでみてください。

著者名;安倍晋三橋本五郎(聞き手)、尾山宏(聞き手)、北村滋(監修)
発売日:2023年2月8日
出版社:中央公論新社