今でこそ藤井聡太氏が注目を浴びてますが、誰もが知る棋士羽生善治氏。彼の年齢を重ねるごとに強くなる「大局観」とその極意が紹介されています。ここでいう大局観とは大局に立って考えること、つまり今の状況を見て判断することであり、年齢を重ねるごとに進化できる事が前提で、勝負の法則や極意が紹介されています。
本書の構成として、まず序盤には将棋界のセオリーが書かれてます。
・反省はするが、後悔はしない
・勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議の負けなし(=因果関係が明確)
その後、中盤からは将棋または人生に対する姿勢、大局観の鍛え方が描かれてます
・対局前:事前準備をコツコツと行う大切さ
・対局中:集中力の維持・判断方法
・対局後:負けた場合は理由を徹底的に考えて、以後に繋げる
・リスクをとらないことが最大のリスク
・部分的に見ず、全体的な認識を小まめにすることが、リスクを取る際に必要不可欠
・集中力を高める三つのトレーニング法は、
①何も考えない時間をもつ
②一つのことをじっくり考えることに慣れる
③時間と手間のかかることに取り組む
・真面目にコツコツと積み重ね、真面目に不必要な物を捨てるという作業を
繰り返してゆく先に、深遠な真理があると考えている(ミニマリズムと理解)
・直感と閃きの違いは根拠があるかどうか
など羽生さん自身の人生観や重みのある言葉が多数収録されているので、将棋好きでなくても読める本になっていますので、ぜひ読んでみてください。