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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】人生に投影される日本史が琴線に触れる『アラビア太郎』

 

交渉を重ね、油田発見の可能性に賭けた実在の人物アラビア太郎の波瀾万丈の生涯。

船上で生涯の盟友との出会う場面から始まる場面が美しく、小説のようにエネルギッシュだが漠然としたエネルギーに満ちた若者が描写されるその街は札幌。

彼の名は山下太郎。実在の人物である。野心に燃える彼は冷静で緻密な戦略家でありながらと向こう見ずに見えるほど大胆に行動する冒険家。

其々の時代で大胆不敵にほほ笑みながら、大地の恵みの玉蜀黍を齧りながら、其々の時代に爪痕を残す。

深紅の中ではためく日の丸国旗を背に大胆不敵にほほ笑むスーツ姿のスキンヘッドに黒縁眼鏡の男。そのタイトルはアラビア太郎。太の字も深紅に燃えています。

さあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。昇竜のように勢いのあった時代に満州で財を成した人物の気持ち良くなる気前のよさと、心優しき物語。すべて失う敗戦で、荒む心を乗り越えてたどり着いたは中東の、砂漠の中での長引く交渉、この難所を乗り越えてさらに挑むは石油掘り。その可能性にかけるのは、果たして妥当なことなのか、あたるか外すかわからない。ハラハラドキドキ波乱万丈のアラビア太郎の物語。