最近放送終了したテレビアニメ『ゲッターロボ アーク』で燃え燃えになったので、久々書庫をひっくり返して再読。ほいでこれを書く。
一言で表すとおかしい。狂っている。
岡田斗司夫が、「ゲッターロボの原作はすごいから!!」と言うのも納得の狂気の作だ。
とは言え、「原作」というのも穏当ではない。
当時、マジンガーZで大ヒットをしちゃった永井豪に、玩具メーカーやらテレビ局やら東映やらから、もっとなんか作れ、マジンガー一体であんだけ売れたんだからバンバン何体も出せや。
と、言われたものの、マジンガーで手一杯だった豪ちゃんが、ダイナミックプロにいた石川賢に声を掛けた。
三機のメカがくんずほぐれずナニして三種類のロボットになる。
ちょっと考えれば無茶苦茶な話をまともに抱え込んだ賢ちゃんは、ロボットのデザインに悩みに悩んだ。
ようやくゲッター1のデザインは出来たものの、後が続かない。
「こうすりゃいいんだよ」と、ささっとゲッター2、ゲッター3のデザインを描き上げたのは豪ちゃんだった。
こうして、「合体」という玩具メーカー大喜びの大定番ギミックのロボット作品の元祖が出来上がった。
テレビアニメと並行して、少年サンデーに連載された漫画も賢ちゃんが著わしたものだったが、正確に言うと、いや、正確じゃなくても読めばパツイチに分かる。全然原作じゃない。アニメとはまったく別物だ。
天才的な科学者がせっせと作ったロボットがあってねとか、なんちゃら研究所から発進、とかいう辺りはマジンガーZ的ではあるが、この研究所の早乙女博士がまずおかしい。怖い。怖すぎるw。
主人公のリョウもハヤトもとにかく尋常ではない。
ムサシが出てきてちょっとホンワカするものの、早乙女研究所に巣食う敷島博士のあまりのマッドサイエンティストっぷりが水を差しまくる。
作中では、まぁ死ぬ死ぬ、とにかくよう死ぬ。研究所の職員は勿論(?)、街の大人も子供もやたら構わず悲惨に死にまくる。
そんな訳だから、ゲッターロボはそんな人々の死を土台として、毎回毎度ものすごいテンションで闘いを繰り広げるのだ。
しかし、やはり圧倒的なのは、ゲッターロボと恐竜帝国の最後の闘い、そしてそこから繋がるゲッターロボGの登場のくだりだ。
ムサシの最期、恐竜帝国の帝王ゴールの最期、共になんとも・・・。
必読!
ゲッターロボ
作者:永井豪、石川賢
発売日:1974年?月?日
メディア:単行本