HIUの公式情報誌、SALON DESIGN。先日その編集チームに入れてもらえたので、編集のノウハウがまとめられたエクセルを勝手に読み漁っていた。本書はその中で「オススメ本」として紹介されていたものだ。編集のプロ達がオススメする本ならライティングのエッセンスが詰まっているはず。そう思って手に取ってみた。
言葉ダイエット。そのタイトル通り、「書く」よりも「消す」が文章を決めると述べられている。ではなぜ言葉ダイエットが必要か。それは多くの人が読んでもらえる前提でいるからだ。新人コピーライターは「広告なんて、誰も見たくない」という前提を叩き込まれる。言われてみれば当たり前だと思うが、果たしてどれくらい本気で意識できているだろうか。「あなたの文章なんて、誰も読みたくない」。
そんな心構えよりも具体的なtipsをと仰るそこのあなたへ。良い文章をパクりましょう。これがシンプルにして最良だと思う。しかし実践出来る人は少ないだろう。現に私も、HIUの過去の書評から高評価なものを参考にしようと探してみたが、うまく見つけられなかった。ちなみに池上彰さん曰く、新聞の社説はとても参考になるとのこと。
ライターを目指す人に読んでほしいと言いたいところだが、本当に読んでほしいのは、メールが長いと指摘されたことがある人、もしくはその自覚がある人だ。短過ぎるメールにイラッとする時もあるが、長いメールで相手をげんなりさせる方が罪は重いと思う。長いメールは「ちゃんと説明したからね」という自己弁護になってはいまいか。
偉そうに色々書いたが、この書評も「誰も読みたくない」文章になっていないことを切に祈る。