本書では、才能を「ビジネスの世界で必要な三つ」に定義し、その才能を生かす方法を段階に解き明かしていきます。本書を読むことで「どうやって、自分の才能を段階的に高めるのか」「自分の才能を仕事で活かす、具体的な方法」「組織が異なる才能をコラボレーションさせる方法」のヒントを見つけることができます。
本書では、人を「天才」「秀才」「凡人」の3種類に明確に定義し、それぞれの価値判断の「軸」が異なるために別種の人間同士で話し合っても伝わりにくいと説明しております。自身の所属する組織メンバーに置き換えて考えてみると、腑に落ちる個所が多く、非常に納得感がありました。
さらに、「凡人は天才よりもはるかに多く存在するために、多数決のナイフにより凡人は天才を殺しうる」、「異なる軸を持つ者同士の橋渡しをする人間がいる」といった組織におけるコミュニケーションを円滑化するヒントが数多く述べられています。
本書は「才能」という実態のない概念に対して、真正面から考察した1冊です。テーマは重たいですが、青野という35歳の男性サラリーマンを主人公としたストーリー仕立てで非常に読みやすく、小説としても面白いです。
サブタイトルに「職場の人間関係に悩む、すべての人へ」とあるように、老若男女あらゆる人に得るものの大きい一冊です。
- 作者: 北野唯我
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2019/01/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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