著者、谷口智彦さんは内閣官房参与という何だかとっても難しい肩書きの方。
メインのお仕事は、安倍晋三内閣総理大臣の英語スピーチの原稿を書いているいわゆる「スピーチライター」さんです。
安倍総理大臣の英語スピーチで忘れられないのが、2015年の米国連邦上下両院合同会議での演説です。
「希望の同盟」と題されたこの英語演説の様子はyoutubeなどで検索すると出てきますので、ぜひ一度、見て欲しいと思います。
僕は、この決して上手くない英語でオバマ政権下の米国議会の議員に語りかける安倍総理の情熱的な姿に、当時大感動しました。
そして、この本から、この演説に向けた阿倍総理の並々ならぬ決意、何度も文面を推敲し、練習に練習を重ねた姿を想像して、更に感動を深めました。
安倍総理大臣の政策に対しては是々非々の立場の僕で、全てが好きでも全てを否定でも無いのですが、この本を読んで分かった事は
「こんなに仕事をしている総理大臣は歴代初なのでは?」
と言う事に尽きるかと思います。
総理大臣に土日はありません。休もうと思えば休めるのでしょうが、安倍総理は休まないと言うこともこの本から知りました。ちなみに菅官房長官も安倍首相と競うように休まないようです。
国会の会期中、総理大臣は国会に縛り付けられます。そうなると、外交日程をこなす為には土日しか有りません。
その土日をフルに使って世界を周り、あらゆる国のリーダー達と胸襟を開いて語り合い、信頼を築いている。
日本の為に、日本が世界から嫌われない為に、ここまで頑張れる方が居るんだと頭が下がりました。
また、安倍明恵総理夫人の人柄に共感しました。
第一次安倍政権が無残な形で倒れ、失意の底にいた安倍元総理に対し、昭恵夫人は自分が頑張る姿を見せる事で安倍元総理を勇気付けました。
政権が倒れた当時は、昭恵夫人は不妊治療を諦めるという岐路にいました。
政治家としての安倍総理の後継者を産む事ができなかった昭恵夫人。
しかし、自分の人生を歩もうと決意され、立教大学の大学院に入り、ミャンマーの寺子屋教育と社会生活という修士論文を書き学位を取得します。
また、山口の地元ではコメ農家を支援し、山口のコメをブランドにしようと、東京にアンテナショップを作り活動を始める。
この夫人が頑張ってる姿を見て、失意の阿倍元総理はどれだけ勇気付けられたのでしょうか。
もう一度総理を目指そうと思った原動力は、昭恵さんの頑張る姿だったのかも知れません。
阿倍総理を知らずに批判している方にこそ読んで欲しい一冊です。

- 作者: 谷口智彦
- 出版社/メーカー: 悟空出版
- 発売日: 2018/07/30
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