人の平均寿命は100歳、メディアからそのような言葉を聞くことが多くなった。長生きできるという嬉しい情報であるはずだが、二言目にはネガティブな情報が流れる。
「だから老後はこれだけの貯蓄がなくてはならない」
「今からこれだけの保険に入っておかねばならない」
「あなたの仕事は将来的に価値がなくなっていく」
それぞれの発言の裏には買わせたいサービスが見え隠れしている。商売トークとはいえ、いささか不安を煽りすぎだ。これらの情報を受け取る人は大きな不安を抱えることになる。しかし安心してほしい、現在テレビCMなどであなたの不安を煽る情報は、“あなたが今と何も変わらない”ことを前提に流されている。
本書の登場人物は100年生きることを前提にライフスタイル・ワークスタイルの見直しをし、生きる中での価値観も変わっていく。“こうあるべき”という社会の常識に追い詰められていた日々から、新たな選択をし前に進んでいく。もちろん人生に正解は無い。過去と決別し新たな未来に踏み出した登場人物達だが、全てハッピーエンドではなく、悩み続ける。
とある家族と短期留学生のエルザの人生が、ほんの少し交わることで生まれる“新たな人生の在り方”に触れてほしい。