HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】 色々と驚くなかれ『痛み専門医が考案 見るだけで痛みがとれるすごい写真』

 かつて、見るだけで目が良くなる本を入手したがなかなか実践仕切れなかった。この本はどうだろう?写真を見るだけで痛みが本当になくなるのか?毎日やれば違うか?と半信半疑で手に取る。なんせ、このところ靴ずれした足が痛かったり、腰痛がしたりするのだ、、。

  著者は、なかなか治らない肩の痛みを若い頃患って、とうとう痛み専門の整形外科医となったという経歴の持ち主。なるほど。タイトルにある「写真」のページには、癒やし代表のようなネコ。マイナスイオン満載の滝や海。はたまた、間違い探しのゲームの写真の頁が出てくる。著者は、患部が痛いのではなく脳内が痛みをつくるのだから、その脳内を騙せばいい、セロトニンドーパミンで脳内を満たそう、と言っている。

 勿論、まず痛みの原因である患部を適する病院で対処することは前提条件としてある。本書は、しかしそれでも取れない慢性的な痛み、なぜ痛いのかわからない痛みに対してのアプローチである。これらの慢性的な痛みは、実は脳の「側坐核」の働きが弱まり、患部が完治しても痛いと勘違いしてしまう癖のようなものだと文献をひいて昨今の研究成果を述べている。痛みを最初に感じる「偏桃体」はストレスや不安でびくびくしやすい、それを元に戻す働きが側坐核であり、そこに効くドーパミンあるいはセロトニンがたくさん放出されるとその働きが活発になるとのことだ。なるほど、ネコはセロトニン、間違い探しはドーパミンに関係する写真というわけだ。

 本書では「痛みを和らげる写真」だけではなく痛みを感じるメカニズムを解いたり、ストレッチや呼吸法も紹介されている。さて読後私は、痛くなくなったのか?、、少なくとも、痛みを感じているのは脳であり患部ではない、と知ることにより、それまでと痛みに対するとらえ方が変わった。これは本書で紹介されている認知行動療法的アプローチなのかもしれない。痛みの原因に直接のアプローチをしつつ、少しこの本の写真を見るのを続けてみようかな。

発行日 2018年8月5日
著者 河合隆志
発行所 ㈱アスコム

 

 

【書評】大切なことは継続的な投稿。『ビジネスYouTube入門 その2 ショート動画ビジネス革命!』

自社の商品・サービスの価値を正確に伝えることが出来れば、価格競争からの脱却を実現出来ることになる。
1分間の動画は、1分間で読める文章と比べて、4500倍の情報量があると言われている。YouTubeを活用した動画マーケティングは有効な価値訴求の手段である。更に、2021年に登場したYouTubeショートはYouTubeを上回る成果を発揮出来るツールである。
YouTube戦略コンサルトである著者は、本書の冒頭でそう述べている。
著者は、これまで継続的な大量投稿の重要性を常々説いてきたが、YouTubeショートはこの戦略への強烈な追い風となっているのだと言うのだ。
ほんの10秒、15秒の動画を継続的に投稿するだけで、着実に問い合わせや来店が増加する。そんな効果が期待出来る。
YouTuberになる必要も無い。
ロングテールSEO対策に最適。
お金をかけずに集客する、今もっとも効率の良い方法。
それがショート動画の活用だ。

短い動画でも、通常の動画と変わらない販促効果を生み出せる。その活用法やテクニックの数々が解説されている本書は、アフターコロナの中小企業に新しい武器を手にしていただきたいという想いで執筆したと著者は言う。
・ビジネスにYouTubeを活用したいが、どうすれば良いか分からない。
・既にYouTubeを活用しているが効果があまり無い。
TikTokYouTube、どちらを活用すれば良いか迷っている。
・お金をかけずに出来る集客の方法を知りたい。
そんな悩みや課題を抱える中小企業、店舗の経営者やマーケティング担当者にとって最適な指南書となることを著者は望んでいるのだ。

私自身、TikTokYouTubeショートは、チャンネル投稿者ではない人々に向けても配信されるのだということを先日知り、YouTuberになるのはちょっとキツイし面倒だが、これなら出来るし、やらなくっちゃと、取り敢えずTikTokで作ったフォトモーションをYouTubeショートにも転用して2023年3月16日から動画配信を始めたところであった。
しかし、正に取り敢えずで、これが適正なやり方なのか、効果的な施策になっているのか、全く判じてはいなかったので、本書は私にとってジャストタイミングの打って付けの一冊なのであった。
ささーっと読んで、頑張っちゃおう!
是非、弊社商品「サプリメント in ウォーター MCMのめぐみ」でネット検索してみて欲しい。
よろしくお願いしまーす。

作者:菅谷 信一
発売日:2023年4月19日
メディア:単行本

 

 

【書評】テレビ局を手に入れた!『トリリオンゲーム(4)』

 

カリスマと天才プログラマーがタッグを組んで一兆円企業を作るまでの物語。本巻ではとうとう2人はテレビ局を手に入れるところまで来た。

 

権力に打ち勝つために、主人公達が次に考えたのはテレビ局を手に入れること。手に入れるためにはまずはお金が必要だ。これまでに得たお金を、使って六本木ヒルズ的なところに事務所を構え、いつもの調子でお金を引っ張る。

 

芸能界のスキャンダルを掴み、それを使って脅し、なんとかテレビ曲を手に入れた。また、天才プログラマーはゲーム会社の情報をハッキングし、ゲーム開発をすすめる。

 

ここまでがこの一巻の中の話だ。非常にサクサクとテンポよく話が進んでいく本作品。大きなビジネスを掴んでいくのも気持ちいい。是非どうぞ! 

 

 

【書評】次期社長は腹違いの息子にするか『社外取締役島耕作(2)』

島耕作はTECOTを勇退し現在は社外取締役を務めている。社長は倒れ、次期社長を決めなくてはならないし、横領事件解決のために探偵も雇わないとダメだし、相変わらず大変な人生を送っている。

島耕作はある会社の社外取締役をしている。上場はしているものの創業者が社長だ。そろそろ、後釜を探しているが、息子は社長の器ではない。そこで、腹違いの優秀な息子が出てくるのがさすが本作。

島耕作は根回しを繰り返し、会社がうまくいくように頑張る。そんな中社長が倒れてしまう。社長を心配することなく、男遊びをする奥様。社長を心配するのは長年の付き合いの銀座のママ。さすがの島耕作の世界観だ。

まだまだ続く島耕作の人生。社外取締役編も是非読もう!

 

 

【書評】もめごとは僕の商売さ。『チャンドラー短編全集2 事件屋稼業』

 

事件屋稼業
ダサかっこいい絶妙な和訳と思う。原題は「Trouble Is My Business」である。この表題作の中で、主人公は別の節回しでしばしば軽口を叩いてみせる。
「もめごとは僕の商売さ」
彼の商売とは私立探偵。その仕事を、いや彼の生き方そのものを指した科白と言える。
原作:関川夏央、作画:谷口ジローの「新・事件屋稼業」という大変息の長い私立探偵物の漫画が有るが、勿論本作をもじっている訳だ。因みに、この漫画は寺尾 聰主演でドラマ化されているが、遺憾ながら全く別物みたいにされているので、視聴には注意を要する。
チャンドラーの良さは巧みな比喩と洒落た表現の文体であるが、前後の文章で捻りを加えて唸らせることが多く、キザな科白の一言でビシッと決めてみせるというのは意外と多くないので、なかなかその魅力を伝え難い。本作でもやはりセンスを感じる表現が多々有るが、実際に読んでみれば、その魅力は一人称形式に依るところが大きいことが分かるだろう。

だから、続く「ネヴァダ・ガス」は三人称形式である為、大分趣を異にする。客観的に事象を捉えながら、読者の視点を意識した様な文章には、まるで映画を観ているかの様な印象を受ける。
本作は比較的初期の作である。チャンドラーはやがてハリウッド映画界に関与するが、最初は原作者としてであったものの、後には脚本も手掛ける様になった。元々映画の仕事に興味があったのかもしれない。

定番と言えよう一人称形式の「事件屋稼業」「指さす男」、それとはちょっと雰囲気が違った三人称形式の小説「ネヴァダ・ガス」「黄色いキング」、さらにまた、本書には小説だけでなく、チャンドラー自身の手によるハードボイルド宣言として名高い「簡単な殺人法」も収録されている。
このバラエティーさは短中編集ならではものと言える。

収録作品
事件屋稼業
ネヴァダ・ガス」
「指さす男」
「黄色いキング」
「簡単な殺人法」

チャンドラー短編全集2 事件屋稼業
作者:レイモンド・チャンドラー,(翻訳)稲葉 明雄
発売日:1965年6月25日
メディア:文庫本

 

 

【書評】組織開発に関して知りたければまずこれを読め『図解 組織開発入門 組織づくりの基礎をイチから学びたい人のための「理論と実践」100のツボ』

学習する組織とかビジョナリーカンパニーとかティール組織とかなんかよくわからんが色々聞いたことはあるだろう。自分の部下はどのように組織するのが正解かを知りたいが、どれを読んだらいいのか。そんな時にこれを読もう!なんと、amazon unlimitedで無料だ。

組織開発に関する本は世の中にいっぱいある。組織開発に関する手法もいっぱいあってよくわからない。まずは本書を読もう。本書は図解とともにいろんな組織開発に関する手法をまとめてくれている。特筆すべきは章末にある参考文献だ。簡単な図解を見て、勉強したいと思った本がすぐにわかる。

本書のレビューには内容が浅くて意味がないなどよく書かれているが、そうじゃない、本書は本を探すための本だ。

組織開発に困ったたびに読み返してみよう。そうすれば、解決方法と今読むべき本がすぐに見つかる。

 

 

【書評】たしかに俺は約束した、神の子を育てると・・・・・。『装甲騎兵ボトムズ チャイルド 神の子篇』

 

超長生きロボットアニメ『装甲騎兵ボトムズ』。
時系列的な最新作OVA『幻影篇』の続きはどうするんだ? そのファンの声に応えて、高橋良輔監督が2020年9月から2022年12月にかけて電撃ホビーウェブ上でウェブ連載した、オトシマエ的小説が本作である。
『幻影篇』では、途中から主人公キリコ・キュービーが登場、続いてテレビシリーズ最終話で滅した筈であった、アストラギウス銀河を支配していた「神」ワイズマンまで再生した。さらにそれに伴って現れたのは神の後継者たる嬰児「神の子」。
かつて神の後継者の座を拒み、神殺しを為した「異能者」キリコが、今度は「神の子」を救う。
これについては、ウェブインタビュー記事にて、高橋監督はこう語っている。
「やっぱり、エンターテインメント作品において、放り出された幼子を救わないヤツは悪人だろうし、そっぽを向くヤツは主人公になれない。だから、一択ですよ。キリコは目の前に現れた「神の子」に関わらざるを得ない」
異能を育てるのは異能の者が再適任者である。ワイズマンから「神の子」の養育を託されたキリコは応諾、二人はワイズマンの導きによって何処かへ吹っ飛ばされたところで『幻影篇』は幕を閉じた。
そりゃあ、ファンからの声ももっともなことである。

ということで、本書はシングルパパになってしまったキリコ・キュービーの子育て話なのである。
とは言っても嬰児相手では物語にはならない。生物学の奇跡。「神の子」は身体及び、知能を急激に成長をさせて見せた。
キリコは彼をルーと名付けた。
前半は、ルーの異常な成長振りと、それに応じ、また補うキリコ、そして不慣れで苛酷な環境の下、人々の助けを借りながらルーを育んでいく旅を描く。
しかし、ワイズマンの後継者が放置され続ける筈もなく、やがてルーを求める軍の手が迫る。
そしてやはりゴウト、バニラ、ココナ、さらにロッチナと、お馴染みの連中もキリコ達に引き寄せられるのである。
ワイズマンはルーへの試しも怠らない。果たしてルーは自らの後継者足り得る者なのか?
一方、当のルーは後継者の道を選ぶのか?
そしてキリコは、ルーの選択と行動をどう受け止めるのか?

前半は特になかなか地味な展開で、これまでのボトムズの世界観とは趣を大いに異にする。
何故こんな感じなんだろう? と、少なからず違和感を覚えたのであったのだが、先述のウェブインタビュー記事にて高橋監督が本書に関して語っている箇所があり、これが参考になった。
「キリコの哲学としては、育てるというのはどういうことかと言えば、食わせて、生き方を教える。それだけで、あとは責任の取りようがない世界ですからね。そういったことが、小説としてどう書かれているのか読んでもらえればと。さっきも言いましたが、『幻影篇』の中で、「神の子」らしき存在が物語の中に放り出されて決着が付いていない。それに関しての決着は付けるという気持ちはあったのが書き始めたきっかけです。それを小説で描くに当たっては、僕が日常的に今どういう生活をして、どんな気持ちでいるのかというのがそこに込められるといいなと思っていましたね」
また、続く以下の言葉によって、前半の展開についての納得も或る程度いく。
「僕はこれまでアラスカに8回くらい行っているんですが、アラスカは「ラストフロンティア」と呼ばれるほど何も無いところなんです。そんな何も無いところで、僕が何を感じたのかということを小説の中に盛り込むことが一つの楽しみでもありました」

後半は軍や軍装として使われる二足歩行型ロボット「AT」もちゃんと登場するが、全体的には会話劇っぽい印象が強い。
これをアニメ化するのはなかなか力業だろう。そう思ったが、しかし『孤影再び』も小説とアニメ版では中身が殆ど違っていたし、映像化があるとすれば、やはりメディアの違いに合わせた魅せ方を考えて作り直すのだろう。
さて、その日は訪れるのだろうか。現段階では分からない。

装甲騎兵ボトムズ チャイルド 神の子篇
作者: 高橋良輔
発売日:2023年2月10日
メディア:単行本

 

 

【書評】システム思考になろう『マンガでやさしくわかる学習する組織』

マンガでやさしくわかる。と、書きながらなかなか文章も多いしなかなか難解だ。本書は『学習する組織』をわかりやすくしたものである。なかなか難解だがそれがいい

まずは『学習する組織』についてchatgptに小学生にでもわかるように説明してもらったので、そちらを確認しよう。

「学習する組織とは、みんなが一緒に学んで成長する会社やグループのことだよ。この組織では、失敗を恐れずに新しいことに挑戦し、その経験から学び、改善していくことが大切にされているんだ。みんなが互いに助け合い、知識やアイデアを共有することで、組織全体が賢くなっていくんだよ。だから、学習する組織はみんなが一緒に楽しく働ける場所なんだね。」

本書ではこの手法を東洋思想(システム思考)と説明した。例えば医学でいうと、病気に対して薬を投与するのが西洋思想だ。一方で、生活習慣や食事を改善するのが東洋思想。

つまり、会社を良くするために、東洋思想的に改善するとすると、学習する組織にすることが大事だということを本書では述べている。

『学習する組織』という名著があるものの、なかなか難しい方にエッセンスだけを学ぶのに本書は非常に良い。

部下が言うことを聞かない、空気が悪い、発言しない。と、悩んでいる人は本書を読んでみると良いだろう。システムを変えることが大事だ。

 

 

【書評】稲盛さんとChatGPT『生き方』

ChatGPTが2025年までにホワイトカラーを消滅させるらしい。
という文言が飛び交うようになって「あぁ、俺も消えるのだな。」としみじみ感じている。
膨大な数のビジネス書に囲まれた自分の部屋を見るとものすごい虚無感に襲われる。
仕事の出来、不出来が自分の人生の価値と直結しているからこその虚無感であろう。

稲盛さんは著書で「仕事を通じて魂を高めていく」と仰っているが、仕事が無くなり空き時間を持て余すようになった私たちの未来には何が待っているのだろうか?
YoutubeSNSNetflixをみて1日終わってしまうのだろうか?

時間はたっぷりあるけど何をしますか?
生きるために働かなくてもよい時代が来ましたけどどうしますか?
そんなことを問われるようになったからといって今までに培われた価値観がすぐに変わる訳でも無い。
次はエンタメの時代だ!と急に興味の無い映画やドラマ、マンガに触れようとも思わない。

そう考えると、働かなくても良いけど自分は働くということを選ぶ人間は増えていき、働くことの意味が再定義される時がやってくる。
遊ぶ人、働く人の二分化のなか、働いているだけで高尚な部類の人になるかもしれないし、もしくは働いているだけで蔑まれてしまうかもしれない。

その判断は後世に任せるとして、
「仕事は魂を高めていき人生を豊かにするものだから続けていく。」
稲盛さんは現代をみて何て言うのだろうか?

ChatGPTに価値観を揺さぶられている私は気になってしょうがない。

 

 

【書評】準備の大切さを説きつつエンタメ『すごい準備 誰でもできるけど、誰もやっていない成功のコツ!』

 タイトルイメージから大分裏切られる芸能界プロデューサー話の数々。なんというか、デスクワークの書類仕事などのビジネス書風かなと思っていたら、とても華やかなテレビ裏側の世界。
 ただ、読み進めるといや寧ろ、前例なくルーティンでないことをいかに実行してなんぼのような仕事、確かに準備命だ。具体的には、中居くんへの誕生日プレゼント、マツコデラックスさんへの差し入れ、実写化の原作者許可がなかなか降りなかった天才バカボンのドラマ化、そして吉田栄作さんに番組出演(後に視聴率を稼ぎ深夜からゴールデンタイムに昇格)を口説き落とした手法。。

 裏側には準備ノート。とても綿密なリサーチに次ぐリサーチと、相手の立場に立った
とき「是」と言わざるをえないまでの戦略を練ること。これをノートの見開き左右に書いていく。しかも、例えば誕生日プレゼントや差し入れのエピソードなどは、予算も多くないなかで、センス良く、笑える絶妙なものを選んでいる(その工夫の中身は是非読んでほしい)ところなどはなんだか真似したくなる。

 そう、この真似したくなる、再現性がある(〜ようにみえる)ストーリーというのはとても人を惹きつける。実際にはマツコさん、中居くんという相手やその時々の状況など、二度と同じことはないのだが、読者の立ち向かう何かに一般化し応用すれば再現出来そうである。

 本書が裏切られるようなイメージのビジネス書チックなタイトルや装丁なのも、もはや著者が購買層ターゲットを見据えた「準備」によるものだと想像し、脱帽だ。入念な準備こそ本番を成功に導く。備えあれば憂い無し。敏腕プロデューサーに学ぶところは大きい。

アスコム
栗原 甚
2019年4月4日