戦前、日本において教育書、教養書として学生必読と言われていた本はいくつかある。『三太郎の日記』、『善の研究』、『出家とその弟子』。そして今回紹介する『君たちはどう生きるか』であり、今回本作は初めて漫画化された。
本作品は主人公のコペル君とおじさんとの対話からなる。コペル君の前には人生で考えるべき出来事がいくつもいくつも起こる。貧困、いじめ、勇気、格差それに対して、コペルくんは考え、戦う。おじさんはコペル君にコメント、アドバイスをする。
本書を読み進めれば自然に人間としてあるべき姿を考え直すことができる。これが80年以上にわたって名作、必読の教育書、教養書と言われ続けて来た所以であろう。
宮崎駿氏は今度こそ最後の作品と言い、その題材として本書を選んだ。色々な情報が飛び交い、色々な生き方が謳われる現在。戦前からの日本人としての人生哲学を本書を通じて学ぶこともオススメだ。そして宮崎駿氏の新作が楽しみである。