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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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文章フェチの貴方へ『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』

『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』著者:神田桂一、菊池良(2017/6/21)宝島社

小説を読んでいると、その著者の文体に惹かれることがある。最初の2、3文を読んで、合う、合わないがわかる。例えば村上春樹の翻訳のような文体、三島由紀夫の雅な言葉、きっと好きな小説家がいる人は、少なからずその文体が好きだと思うことがあると思う。ストーリーだけでなく、文章の雰囲気が好きだ、という感覚がわかる方なら、絶対に楽しめる1冊が本書である。

タイトルの「もし文豪たちが~」にあるように、数々の有名小説家からブロガー、芸能人、はたまた有名週刊誌までが、「もしカップ焼きそばの作り方を書いたらどうなるか」を妄想し、創作した文章が集められた本だ。すべてパロディなので、ばからしいといえばばからしい。それでも、読んでいて面白い。

目次を見ると、芥川龍之介からドストエフスキー、イケダハヤト氏に又吉直樹氏、ヒカキンから『暮らしの手帖』、『週刊文春』など多種多様な名前が連なる。みんな同じ「カップ焼きそばの作り方」を語っているのに、全く違う語り口で、ひとつひとつに「わかるわかる!」とうなずき、にやにや笑いながら読んでしまう。

一流のパロディには、真似をする相手に対する尊敬と愛があると思う。この本の作り手たちの並々ならぬ執着と情熱を、最初から最後まで感じる1冊だ。ちなみにイラストを描いているのは漫画家の田中圭一氏。田中氏といえば最近は『うつヌケ』(KADOKAWA)がベストセラーとなったが、もともと手塚治虫の絵柄のパロディで有名な方だ。そんな方がイラストを手掛けているところからも、パロディに対するぶれない姿勢を感じる。ばかばかしくても、ここまで本気だとこれはこれでオリジナルになるのだ、ということを感じた。

私自身あまり期待せずに書店で立ち読みをしたら、その面白さに買わずにはいられなくなった。だまされたと思って、1ページ、読んでいただきたい。