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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】はい。これでお仕舞い。『日本以外全部沈没 パニック短編集』

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ここのところビジネス書ばかりで、何年も小説を読んでいなかったのだが、突如40年振りに筒井康隆が読みたくなった。

しかし、この人の捉えどころの無さと言ったら半端無い。スタイルが作品毎で全く変わるので、読み出すまでどんな作風の話なのか分からないのだ。
だから、巻末の解説を仰せつかった人達のお仕事も、大抵はお粗末な結果に終わる。
大体、筒井康隆の代表作ってなんだろう?『時をかける少女』?『パプリカ』?『七瀬シリーズ』? それすらよく分からない。

そんな訳だから、私にちゃんとした解説が出来る筈もない。ここでは精々本書の表題作の由来でも書いて、お茶を濁すこととしよう。
丁度Netflixで、『日本沈没』が製作されているらしいし、この書評のアクセスが上がるかも知らず、誠に丁度良い。

日本以外全部沈没』は、『日本沈没』のヒットを祝うSF作家たちの集まりで、冗談で星新一が題名を言い出し、作者の小松左京の許可を得た上で筒井康隆が執筆した、と言う由緒正しい公認パロディーなのだ。
そして、あろうことか第5回星雲賞短篇賞まで受賞してしまい、授賞式に於いて「『日本沈没』は完成まで9年かけたのに、筒井氏は数時間で書き上げて賞を攫ってしまった」と小松氏にコメントさせたという。
また、2006年には、ほら、私のお知り合いの、例のどうかしている河崎実監督によって映画化され、筒井氏も出演している。
映画化に関しても、小松氏の許可までちゃんと取っており、こちらも正統派(?)のパロディー作品だ。

さて、私は、ガキの自分からSFとハードボイルドが好きだった。小中学生の頃は、眉村卓星新一やら筒井康隆が流行っていた(様な気がする)ので、その辺りの作品を読み漁っていた。但し、金も無いのでもっぱら図書館通いだった。
だから蔵書もしていないし、読了したらそれっきり。
にも拘らず、強烈に覚えているのは、七瀬シリーズの最終巻『エディプスの恋人』の読後のモヤモヤ感と、とんでもない投げ捨て感満載のオチが強烈で衝撃的だった・・・あ、えーと、題名が分からない。
オチの一文と「時代小説」で検索してもまったくヒットしない。
なにしろ多作のこの人、見当をつけてポチポチポチとして幾つか読んでみても、一向に辿り着かないでいる。
もう暫くは、捜索が続きそうだ。