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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】 知らなきゃ損?!男女の脳のチューニングの差異『夫のトリセツ』

 夫が帰宅して「おかずこれだけ?」と聞く。
妻は「一日家にいて、これだけしか作れないのか」と皮肉をいわれたように解釈し、イラっとくる。こちらはそれでなくても子供の世話して、あれ買い物してこれして、と。しかしこれは「この鮭一切れで、ご飯2杯を食べればいいんだね?」という確認であって裏はない。こんな濡れ衣から発展するよくある夫婦喧嘩。しかしこれを、男性と女性の脳の初期設定、チューニングの差異からくるものだから、余計な揉め事を起こさないで、、と説明していく本である。

 AI開発に関わっていた著者が、男女は脳を「とっさに使う側」が違う、という観点から男女のコミュニケーションを解き明かしていく。マンネリ化した家庭内や恋人間がこれを知ることで大きく変わるのかもしれない。

 女が使うとっさ力はまず共感。対して男は問題解決だ。これは太古の昔から備わっている生きるすべなのだ。そして共感あるおしゃべりは女のストレス解消になるが、男は安寧な沈黙が一番ストレスがないため、妻のおしゃべりが煩わしい。
半径3メートル以内のことは男は意識がいかない。長らく狩りをしてきた男性脳は、より外側の広い世界をかいつまんで見ることで危険回避するように進化してきた。だから妻が「オムツ替えが大変。分かっていて手を差し伸べてくれるはず」と思っていることには気づいていなく、言ってはじめてやってくれる。しかし男はルーティンを良しとするから、妻が夫に何かお願いするときにはルーティン化にしたほうがよい。。などなど。

 個人差や訓練での差はあるだろうが、カップルや夫婦の余計な無駄な争いを無くし円満に過ごすために、実は脳の仕組みとして心得ておくと良さそうである。

黒川伊保子 著者
2019年10月19日
講談社+α新書