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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】 麻薬、臓器売買、小児生愛etc…現代の資本主義世界の闇に巣食う古代アステカ帝国の影『テスカトリポカ』

 

最初の舞台はメキシコ。
メキシコの麻薬カルテルのトップの麻薬密売人バルミロ•カサソラは敵対するカルテルに命を狙われ、ひとりジャカルタへ逃亡。
そこで、日本人の臓器ブローカー末永と出会う。

末永は以前、日本で心臓血管外科医をしていた。末永は心臓手術を上手くキメた時に、何にも替え難いエクスタシーを感じる人間。
また手術前の極度の緊張を和らげるために、普段からコカインをキメていた。
⁡ある日、14時間に及ぶ心臓移植手術をキメた末永は、愛車のポルシェの中でコカインでさらにキメた後に仙台市内を運転。早朝に少年を撥ね、そのまま逃亡。
全国指名手配された末永はジャカルタまで逃亡する。

このサイコパス2人が出会い、闇のビジネスを日本で展開していくことになる。

その闇のビジネスというのが、日本人の健康な子どもの心臓や骨や他臓器を生きたまま摘出し、世界の富豪たちに売るという臓器密売ビジネス。2人のサイコパス具合にゾッとします。

ちなみに、
“テスカトリポカ“というのは、
“煙を吐く鏡“という神?の名らしい。
メキシコ建国前に存在したアステカ帝国
アステカ帝国の宗教は多神教で、
“テスカトリポカ“以外に、
太陽の神“トナティウ“、
地底世界を支配している“ミクトランテクートリ“
戦争の神“ウィツィロポチトリ“などなど、ドラゴンボールなみに神々が存在。

ただ、その中でも
“煙を吐く鏡“の“テスカトリポカ“が最強にして、最恐らしい。

カサソラの行動理念は、このアステカ帝国多神教宗教に基づいており、まじで理解不能。(生きた人間を生け贄として用意し、その人間の心臓を摘出し、頭の上にのせ、神に捧げる。
生け贄となることは名誉なことだ といった感じ)

麻薬や臓器ビジネスなど、
ただの極悪人なのに罪の意識が全くないサイコパス

野蛮?で、暴力的で、グロくて実写化不可能。
よく分からないなで始まり、
よく分からないまま読みすすめて、結局よく分からんかったなっていう1冊。だけど、これも読書の醍醐味。

全553ページ。
現代の資本主義世界の闇に巣食う古代アステカ帝国の影。
信仰はもちろん各々の自由だが、どう解釈するかは結局人間次第。人間ほど怖いものはないなと改めて思った。

著者:佐藤究
出版社:KADOKAWA
出版日:2021年2月19日