とある女の子の日常を切り取っただけの小説である。本当にただそれだけ。大きな事件が起きるわけでもなく、すごい感動的なシーンがあるわけでもない。なのに僕はドハマりしているのである。
第一集に続き、ついつい第二集も読んでしまった。ドジな女の子の麦本三歩は、仕事ではミスを繰り返し、休みの日には変なテンションで友達を困らせる。人に迷惑をかけっぱなしだが、意外にも周りの人は三歩のことを嫌っているわけではない。なんだかんだうまく生きている。
章ごとで短い物語が完結するので、すきま時間に読みやすい。一生懸命だけど空回りしている三歩はかわいくて、たまに怒られるも、プライドが高くて無視する一面もある。最後はいつも愛ある言葉で締めくくられ、ほっこりしてしまう。これが癖になるのだ。
意外にも、ほかの読者の感想を見ていると三歩に厳しい意見が多い。「あざとい」「三歩みたいな人とは仲良くなれそうにない」など。同性からは見え方が違うんだなと気づかされ、心境や立場で見え方がこうも異なるなんて、やっぱり小説って面白いなと感じた。
僕は三歩が好きだ。あなたはどう感じますか?