本書は『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』の第3弾となり、人々に強く影響を与えた「現代文化」についてまとめられている。前作の第2弾は、人物に特化した内容のため、併せて読むことにより、幅広い知識が得られるだろう。
シリーズ累計150万部を突破し、第1弾より継続して人々から愛されていることがよくわかる。また、各シリーズごとに365日分、毎日新たな知識が短時間で効率よく得られるように、月曜日から金曜日までの7つの分野に分類されている。
本作では、過去に新聞の1面を飾り、伝説となった「人物」や、ヒットチャートトップ40に入った「音楽」大ヒット作となった「映画」100年間で人々の話題となった「大衆文化」他、「思想と社会」「文学」「スポーツ」など、とても気になるものばかりが取りあげられている。
そこで本書評では、365個目の最後のテーマ「J・K・ローリング」についてとりあげる。J・K・ローリング氏の『ハリー・ポッター』シリーズや『ファンタスティック・ビースト』は、とても奇妙で面白い世界が描かれ、マジックというだけで何だかワクワクしてくる。
そしてその大ヒットにより、出版史上、文化的・経済的インパクトを残した作品は他にないと言われ、それはまた、世界中の識字率向上や子供の読書率増加にも貢献したそうだ。
評者も子供の頃からマジックに関心を持ち、必死に練習をした経験もある。また、世界を代表するマジシャンのショーを見に行くほど、マジックに夢中になっていた時期もあった。そのため、J・K・ローリング氏の作品をとても楽しんだ。
そもそも『ハリー・ポッター』は、乗車中の列車が4時間途中停車し、その際に主人公「ハリー」を思いついたところより、ストーリーを構築し始めたそうだ。
4時間も電車が停車したら、多くの人はイライラして苦情を言ったり、暴言をはいたりする。評者も海外に行った際に6時間飛行機に閉じ込められたことがあるが、思わぬことに遭遇した際にどう反応するかで、その人の本質がよくわかる。
そもそも代替え案のない状況に陥ったら、イライラしたり、クレームを言ったところでどうにもならない。その時間をいかに快適に、有効に活用するかが重要だ。
恐らくJ・K・ローリング氏も周りの状況に左右されず、その時間で自分の好きな楽しい世界を想像することに没頭できたからこそ、あのような大作が生まれたのだろう。
本書は、365項目という莫大な情報量ではあるものの、1日5分というちょっとした隙間時間で知っておきたい基礎知識について毎日学べるように作られているところが、非常に便利である。
いくら忙しい人であっても、1日5分作れない人はいないはずだ。また、本書の楽しみ方の一つとして、自分の人生を振り返りながら読んでいくというのも、とても面白い読み方だ。
『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』シリーズはこちらから
第1弾
http://bookrev.horiemon.com/entry/2018/06/01/220012
第2弾 人物編
http://bookrev.horiemon.com/entry/2019/04/26/220015
- 作者: デイヴィッド・S・キダー&ノア・D・オッペンハイム,小林朋則
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2019/08/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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