『シャオミ 爆買を生む戦略』著者 リー・ワンチア 訳 藤原由紀 (日経BP社 2015/10/26)
シャオミといえば、iPhoneに勝るとも劣らないスマートフォンを作り出した中国企業だ。しかも、ハイパーローコストで。
なぜ彼らがローコストで世界最高クラスのスマートフォンを作れたかと言えば、彼らが中国人であり、かつ素晴らし技術力を持っていたからに違いない。(創業社のレイ・ジュンはアップルはiPhoneの生産は中国に任せている。ならば中国人がiPhoneより良い生産を作れないはずはない、との仮説より起業した)
しかし、彼らがここまで有名な企業になったのかは、バズらせたからでしか説明できない。そう、本書を読めばバズらせ方が完璧にわかるのだ。
どうやってバズらせたかを理解するには、まずコンピュータ(スマートフォン)のOSについて理解する必要がある。
OSとは、言ってしまえばスマートフォンのアプリ以外の全てである。スマートフォンはアプリしか使っていないと思っているかもしれないが、例えば、時刻の表示、画面の明るさの調整、複数のアプリを開きっぱなしにする技術等々、これら全てをOSが行なっている。
このシャオミはこのOSを2週間ごとにユーザー主導でアップデートするということを行なったのだ。(落ちついて考えて頂きたい。iPhoneに入っているiOSはおよそ1年に1回しかアップデートしていない。2週間ごとがどれほど大変かわかるであろう。)
しかもだ、繰り返すがシャオミがすごいのはこれをユーザー主導でやったことだ。
そう、ギークでオタクなユーザーを見事に味方にすることができたのだ。
(ギークでオタクなユーザーの心理を説明するのは簡単ではないが、車好きの人ならトヨタに対してアイデアを出してそれが2週間後には製品として世に出されるみたいな感覚だ。もし、あなたが野球好きなら、自分が采配について提言をして。それが次の試合には反映されているといった感覚だ)
なので、シャオミではユーザーに参加してもらうことと、参加してもらうことと、参加してもらうことを重視している。
そうすれば、なんだってできるのだ。
この本を読めば、どうやったらバズらせるか、どうやってバズらせたか完璧にわかる。それは単にユーザーを味方につけることだけだったりするのだが。