この本は抜群に面白い。
本書は、ドワンゴの川上会長が、スタジオジブリの鈴木敏夫氏に弟子入りした際に思考した事を、「卒業論文」としてまとめたものである。
川上会長が、スタジオジブリでの経験を元に「コンテンツとはなにか」を考察しており、その過程で「なぜジブリの映画はヒットするのか」「天才クリエーターと言われる宮崎駿監督は一体なにがすごいのか」を考え記述している。
考えていく過程で、鈴木さんとの日常会話や、宮崎駿監督の息子の宮崎吾朗監督とのやりとりが元となっているのだが、それとは別に川上会長のドワンゴでの経験ではもちろんのこと、アリストテレスの『詩学』からの引用まであり、その知識と思考の深さに驚愕する。
結論に辿り着くまでのその過程が最高に面白い。コンテンツに関わる全ての人に、この思考の過程を楽しんでもらいたい。