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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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ビジネス書から見る時代の変化と普遍性『平成のビジネス書』

ビジネス書から見る時代の変化と普遍性『平成のビジネス書』著者 山田 真哉(中公新書ラクレ、2017/8/10)

本書は163万部のミリオンヒットとなった『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書)著者による、2000年から2010年までの「ビジネス書黄金期」において書かれた書評をまとめた一冊だ。

なぜこの時期をビジネス書黄金期と呼んでいるのか。それはこの期間、業界全体が右肩下がりとなっている中で、ビジネス書だけは新刊の発行部数が上がり続け、2009年に1752万冊というピークを迎えたからである。そして2011年に1600万冊代を割ると、2015年以降は1200万冊代と下降期に突入している。

著者がこの時期に雑誌や新聞に執筆した書評と、そしてなぜこの期間ビジネス書はバブルを迎え、以後発行部数が下がり続けたのかについての考察がまとめられている。

売れている本には、その時代の人が求める欲望が表れている。お金の儲け方、働き方、人生観など、過去の書評を読みながら人間の欲望について考えられるところが面白い。

過去のベストセラーを見ていると、今書店で並んでいるベストセラーとテーマは同じで、見せ方や切り口が変えられていて売られていることにも気づくことができる。例えば金持ちになるための本は、いつの時代もベストセラーの常連だ。本当に本の通りに金持ちになることができたならば、もう同じような本は売れないはずだが、同じテーマの本が何年かごとに繰り返しベストセラーとなっていて、「金持ちになりたい」という欲望を、本を買うことによって満たしている人が一定数常にいることがわかる。いくら時代が新しくなっていても、人間の欲望は新しくなったり進化することはなく、その部分をくすぐる本が変わらず売れているのだ。

1990年から2016年の間のベストセラーリストが資料として掲載されていて、これを見ているだけでも時代を振り返ることができる。ビジネス書を読むのが好きな読者にとっては、普段ビジネス書を買う際に、どんなところに惹かれて買っているのか客観視することができ、今後新刊を選ぶときの目を鍛えることができるだろう。資料の充実度も含めて、実用的な一冊だ。