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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】「日本人の常識にとらわれてはいけない」『小さな会社のインバウンド売上倍増計画』

1つ1つは小さいことも地道に積み重ねることで着実に成果につながる。まずは取り組んでみよう。

一見関係なさそうなあらゆる業種や小さな企業でも実はインバウンドを狙える可能性がある。
思い込みで関係ないと決めつけたり、ターゲットを絞ったりせず、先入観を捨て、外部サイト(グーグルマップやトリップアドバイザー、OTAの口コミなど)も活用して外国人の目線で客観的に自社のビジネスを見ることから始めてみることを勧めている。

また、小さなお店や旅館、会社が単独(点)で集客するのは、かなり難易度が高いので、自治体や観光協会、DMO、同業他社、地域コミュニティーなどと連携・協働して、地域として(面で)旅の目的地になるような考え方を持つべきである。

そして、国ごとにニーズや価値基準、趣味・嗜好、使っているサイト・アプリなどが異なるので、その辺りを理解した上で売れる商品・サービスを作り、磨き込む方法についても解説されている。

また、接客術やトラブル防止・抑止策にも日本人相手の常識は一旦忘れて、国によって全く異なる視点が必要であると説く。

最後の章では、これまで述べられてきたことを実現するために、国内の人材に留まらず、外国人スタッフも含めた人材採用や育成が求められると言う。
小さな企業だからと初めから諦めずに、伝え方次第では、高度な人材を惹きつけることも可能であると言う。
また、そのような人材のエンゲージメントを高めることによって、継続的に活躍してもらえるような場を提供することが重要である。

本書は、実際の事例を基に、他者の視点で具体的な施策(サイトやアプリ、コミュニケーションの方法など)に至るまで、細かく触れられており、小さな会社が売上を伸ばすうえで、やるべきことが解説されており、これを実践するだけでもかなりのインパクトが期待できるのではないかと感じた。
インバウンドに関連するビジネスを展開されている企業の関係者は非常に参考になるのではないだろうか。
さらに顧客(他者)の視点で考えるというのは、インバウンドに限らず、他のビジネスにおいても共通することなので、役立つことが多いのではないかと思う。
少しでも興味がわいたら、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

著者:村山慶
発行:株式会社日経BP
   日本経済新聞出版