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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】戦略・智慧・役立つ日常生活編4→人生、仕事への助言!『中国古典一日一言』

 先日、HIU近畿支部の新歓&交流会で長崎県壱岐(いき)の話になり、松永安左エ門(まつなが やすざえもん)の話になりました。彼は「電力の鬼」と呼ばれ、実業家として知られており、九州電力のホームページでも紹介されています。本書は人生や仕事において、様々な中国古典から引用して助言しています。その中に、松永安左エ門(まつなが やすざえもん)を実例として挙げられていたので紹介したいと思います。「苦中の苦」の先にあるものはいったい何か。

【苦中の苦を受けざれば、人の上の人たること難し】
【不受苦中苦、難為人上人 『通俗編』】
【「苦中の苦」すなわち極限状態の苦労を体験した人物でなければ、人の上に立つ資格がないというのだ。】

この言葉は本書で引用された『通俗編』という中国古典になります。ここで例えに挙げられたのが松永安左エ門(まつなが やすざえもん)です。彼は明治8年に壱岐島に生まれ、福沢諭吉の「学問のすすめ」に感化されて、明治22に東京へ出て慶應義塾に入塾しました。その後、wikipediaによれば、卒業まであと一年という1898年(明治31年)、学問に興味が湧かなくなったことを福澤諭吉に告白すると、「卒業など大した意義はない。そんな気持ちなら社会に出て働くがよかろう」と勧められて退学したらしいです。今でも言える事ですね。

松永安左エ門(まつなが やすざえもん)について、本書では以下のように述べられています。

【「電力の鬼」と言われた松永安左エ門は、若手の社長などが会いにくると、よく、
「人間はな、三つのことを体験しないと、一人前にはなれん。
一つは闘病、二つめは浪人、三つめは投獄だ」と言って、相手をケムにまいていたという。
かれ自身、この三つとも自分で体験していたというから、それなりに説得力はあったわけだ。「苦中の苦」をなめた者が必ずしも人の上に立てるとは限らないが、しかし、それが有力な資格条件になりうることは認めてよいだろう。なぜなら、そういう体験をへれば、必ずや人を見る眼も練れてくるし、逆境に耐えるたくましさも身についてくるからである。
そう考えれば、「苦中の苦」も、いっこうに苦にならないかもしれない。】

 偉業を成し遂げた松永安左エ門(まつなが やすざえもん)ですが、極限状態の苦労を体験あったからでしょう。本書には他にも仕事や人生において役立つ助言が書かれており、我々の悩みは昔からあるのだなと思わせる一冊です。是非、手に取って今後に役立てて下さい。

発行  1987/12/1
著者  守屋 洋
出版社 PHP研究所