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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】置いて行かれる前に一読したい『教養としての「半導体」』

著者は東大を卒業後、半導体バイス・プロセス関連事業に携わってきたエンジニア。

情報化社会の進展とともに、パソコンやスマホはもちろん、家電、ICカード、医療、車、産業機器など、「半導体」が多くのものに使われるようになり需要は右肩上がりに増加した。
日用品以外でも、高性能ミサイルやロボット、ドローンなど、戦場で使うものにも使われるようになり「半導体」は安全保障上の重要な戦略物質になった。

一昔前は、設計から完成までを一社が完結させる垂直統合型の生産が主流だったが、現在は一社一社が、得意分野の工程を受け持つ生産方式に変わった。
つまり、設計ソフト、設計、前行程、後行程、製造機器、検査機器、各工程で使われる素材など、各企業が巨大な設備投資を行って手を加えたものが製品として流通するのである。
分業化を進めたことは、コストをおさえながら性能を高められた反面、パンデミック等で物流が止まる、中間工程で不具合が発生した場合、商品の完成が滞ることになる。
また、完成までにいくつもの国を経由するため、技術の流出はもちろん、安全保障を考慮する必要がある。

世界の半導体受託生産の半分以上を請け負う台湾企業(TSMC)が熊本に工場を構えたことが話題になっているが、移転の理由は、そのような背景があったと考える。

電気を通す物質を「導体」、通さない物質を「絶縁体」という。
半導体」とは「導体」と「絶縁体」の中間的な性質をもつ物質のことを指す。
こういった基礎的なことを知らないで製品を使う人は多いが、情報化社会を生きる者としては、この分野の情報に少し明るくなっておいても損はないと考える。
この機会に、業界の表面だけでも知っておくのはどうだろう。

作  者:菊地正典
発売日:2024年4月20日
メディア: 日本実業出版社