長野県美ヶ原高原にある山小屋ホテルに置いてあるのを拝読しました。池田エライザさんのロケ撮影に、この高原が使われたとのこと。毎年開かれる写真展覧会の展示作品を掲載した写真集です。気鋭の写真家が、ずっと撮りたかった女優を指名して撮るという企画。2023年まで発刊されており、今年2024年も松本穂香さん、玉城ティナさんなど総勢5名の女優さんが出演します。
旅行先で、何かのコンテンツのロケ地である事を知ると、二度美味しいというか、旅行体験にぐっと深みが加わります。特に池田エライザの圧倒的に美しく神秘的な姿が、その高原に立ち現れるようで鳥肌さえ立ちました。女優というのは造形美よりも表情の美、つまり心の所作が問われる仕事なのだな、とハッと気付かさせられました。
2021年版のフォトグラファーと女優は、以下の通り。
上白石萌音 × sunao
池田エライザ × 増田彩来
山田杏奈 × 酒井貴弘
芋生悠 × 持田薫
鳴海唯 × 女鹿成二
私は芋生悠という女優は初めて知ったのですが、かなり衝撃を受けました。カメラの前であまりに無邪気に無防備に振る舞い、溌剌とした中にも匂い立つような色気がある。女でもかなりドキドキします。被写体としてのすらりとした白い肢体の美しさはもちろんだが、衣装やロケ素材など、フォトグラファーのセンスも抜群だ。
先述の池田エライザについては、本当に全ての写真が神々しい光を放っていて、もし実物の彼女に会ったら、どの瞬間を切り取ってもこれだけ美しいのだから、魂が抜かれそうなほどさぞ目が吸い寄せられてしまうことだろうと、少し恐ろしくすらなった。ロケ素材には、雪の積もる高原の原っぱに、白いアンティークのベッドが設置されている。なんという絶妙な塩梅の組み合わせだろう。
彼女の表情と、標高2000mの美ヶ原高原に辿り着くまでの道路から見える、日本アルプスの尾根が描き出す「ヴィーナスライン」を、思わず重ねて見てしまいます。なんとも胸に残る写真集です。