日本のIT勃興期。父親の事業である有線放送の創業期の話に始まり、父親の背中を見て育った子供時代。自身の学生時代から社会人を経て起業し、父親が築いた事業の継承と自分が創業した事業の狭間でもがきながら、がむしゃらに働き続け、成功や挫折、苦悩を繰り返しながら今日に至る起業家 宇野康秀氏の歩みとその裏側に迫る。
一番印象的だったのは、父元忠が言った一言
「わしより働く社員がいたら、そいつが社長や」
誰よりも会社の事を考え行動し続けた父の背中を見て育ち、経営スタイルは全く異なるものの、そのマインドを受け継ぎ、
現在では大企業に成長した人材紹介サービスを展開するインテリジェンス(現パーソルキャリア)を創業し、その後、父親から受け継いだUSENの経営を立て直し、さらにネット配信の将来を見越して、現在ではNETFIXやAmazon Primeなど海外動画配信サービスとしのぎを削るU-NEXTを立ち上げ、それら3社を上場に導く。
話には、宇野氏が就職したリクルートの創業者江副 浩正氏やソフトバンクの孫正義氏、ライブドアの堀江貴文氏、GMOの熊谷正寿氏、サイバーエージェントの藤田 晋氏、楽天の三木谷 浩史氏など日本を代表する実業家などとの関わりもあり、興味深い。
私自身は起業の経験はないですが、
起業家には熱い情熱と自分の信じた道を信じて愚直に粘り強くやり続ける覚悟やそのためには敢えて厳しい方の道を選ぶことも厭わないという姿勢など、起業家を目指す人にとっては、非常に参考になる一冊ではないかと思いました。
ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。
著者:児玉 博
出版社:文藝春秋