世の中はバカで溢れている。特に最近、界隈で大量発生しているようだ。この本を読んで、危うく自分もバカになるところだったのだと気づくことができたのだった。
この本の冒頭に、ある警告が記されている。それは「この門をくぐる者はいっさいの希望を捨てよ」という、なんとも興味をそそられる一文だ。このタイトルの本を手に取る時点で希望も何もないだろうと思っていた…そんな私が甘かった。自分が希望に満ち溢れた世界に生きていた事を痛感させられるのであった。
「バカ」というなんともシンプルで力のある言葉を真剣に考えた人たちの、エピソードや研究が書かれている本書。散りばめらえたトリックに自らがはまり込みながら、自分の「バカ」さを痛感できる内容になっている。
SNSの発達で、どこもかしこも批判に満ち溢れて辟易している毎日。自分は違うと思いながらもやはりどこか他人を批判しながら過ごしてしまっている人は多いのではないだろうか。
果たしてあなたは本書をどちらに利用するだろう。自分自身の猛省に利用して「バカ」にならないように道を正していくのか。はたまた、己が武器として本書を利用して、「バカ」に更に磨きをかけて宇宙一の「バカ」の道をひた走るのか。次に読む誰かしらを妄想し、ほくそ笑んでいる私は、まだまだバカなのかもしれない。