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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】茶道から余裕のある生き方を知る!『「お茶」を学ぶ人だけが知っている 凛として美しい内面の磨き方』


『教養としての茶道』の著者による新著である。前作が概論であるならば、本著は詳論である。茶道を知らない人でも茶室という名前は聞いたことがあるだろう。茶室はこじんまりとした空間である。その小さな空間を通じて得られるあり方を普遍化する方法を教えてくれる。なんともおもしろい著書である。
茶道を知らなくても千利休という名前は聞いたことがないだろうか?かく言う論者は茶道のなんたるかは知らない。だが、千利休という人物は知っている。知ったきっかけはとある漫画であった。千利休の手にかかれば茶室という小さな空間が宇宙になるのだ。つまり一挙一動に意味を見出し、意味づけをし、自分の内面に落とし込むことで、自分の成長につながっていくのである。
本著は、さぁ皆さん茶道を学びましょう!とは言っているわけではない。茶道を会得した著者だからこそ伝えられる茶道の神髄を通じて生活に彩りとゆとりを提示してくれているのだ。著書を通じて伝えてくれているのはなにも難しいことではない。当たり前のことが多い。例えば一期一会。実は茶道から来た考え方である。
日々の生活に忙殺されると当たり前のことに気づかないようになり生活が乱雑になっていき自分を見失っていくのである。本著は大切に生きていない現代人に対する過去からの警告でもあり諭でもあるように感じる。さすが茶道家である。茶道の心得を理解しているからこそ出てくる言葉は、決してまやかしではなく、深くそして自然とゆっくり心に染み入ってくる。時間を作ってじっくりと読むべき1冊だ。