会社の成長スピードは速い方が良いでしょうか?その考え方と対極にあるのが本書の年輪経営という考え方です。それは、木の年輪のようにゆっくりと時間をかけ、少しずつ良くなっていくような経営が理想であると説いており、社員・顧客・仕入先との付き合い方もゆっくりと信頼関係を築いていくという考え方です。
その中で特に人(社員)教育は徹底しており、会社のトイレには水滴が一滴も落ちてない、商品開発は進歩軸で見る、社会貢献活動は決して止めない・・などここでも年輪経営の考え方を取り入れています。
この経営方針に感銘を受けた豊田章男氏はご自身の年始挨拶で年輪経営という言葉を使ったり、今まで進めていた拡大路線から数年間の足元固めに舵をきりました。豊田氏は「意思のある踊り場」と表現してました。
会社の成長や数字も大事だと思いますが、成長方法を考えることの大切さを学ばせてくれる本だと思いました。日本を代表する企業が参考にした年輪経営に興味のある方はぜひ読んでみてください。