今回は絵本なだけに文字数やページ数が少ないが何か一つの長編小説を読んだように感じた。それだけ内容が深いのだと思う。私は一回読んでもなかなか理解できなかった。何回も読んでいくうちに色んな捉え方が出てくる、スルメのように噛めば噛む程味が出る、そんな感じだ。
主人公のねこは100万回死んで、生きて。100万人の人がねこが死んだ時に泣いた。その間、ねこは一回も泣かなかった。しかし、ねこは愛する白猫が死んだ時に100万回泣いた。
個人的には愛情の話だと思った。そしてその愛情が受け継がれていくものだと感じた。形あるものは無くなる可能性がある、形ないものは忘れる可能性がある。ねこは受けてきた愛情を忘れずに受け継いでいったのかもしれない。感慨深いものである。