流行であるデータサイエンス。「AIでなんかできへんのか?」と上司に言われ、色々と勉強してもどれも専門的で現場でどう活かせば良いか分からない。いろんなサービスでpythonなどを勉強したが「で、これってどうやって仕事につかうんやろ?」そんなあなたにオススメなのが本書。現場での使い方がまとまっている。
本書は日立製作所の10年間のノウハウがまとまった本だ。データサイエンスの現場での使い方がまとまっている。
例えば予測、予兆検知、要因解析、画像認識、テキスト解析、数理最適化それぞれの現場への応用が書かれている。
例えば、製品にエラーがでる。その原因を探るならば要因解析で、原因を突き止められる。あるいは、パーツ一つ一つの画像を解析することでなんのパーツがどんな製品のエラーに関わっているのかがわかる。すぐに応用できそうな例が多い。
また、データサイエンティストを10に分類して議論をしているのも初めてみたが面白かった。とにかく分析に強い人もいるだろうし、分析は苦手だが、ある業界の知識が豊富な人もいるだろう。あるいは作ったモデルを実装するのが得意な人もいるだろう。
本書ではデータサイエンティストを分類し、1日の仕事の仕方、チームの組み方、また、これからのデータサイエンティストはどう変わっていくかまでがまとめられている。
本書の内容を全て理解するのは初学者には難しいだろう。入門をクリアした後に読むのが適切だ。一方で細かいことはわからないが、データサイエンスを現場でどう使えばいいかを悩んでいる人にもオススメだ。読む人によって色々得ることがある本だと思う。