この本で一貫して言っているのは、EQを高めることで良いことあるぜ。生き方すら楽になるぜ。だから、身に付けた方が良いぜ。
これだ。
ほいで? そのEQって何よ? そう。そう思うのが当然ですわね。
それは、心の知能指数と呼ばれるEmotional Intelligence Quotient なんだそうだ。
EQとは、自分自身と他者を理解しながら、自分の感情をコントロールすることで最適な行動を取ることができる力を指すのだ。
皆さん良くご存知の、頭の知能指数、Intelligence Quotient、略してIQよりも大きな影響力を有すると著者は言うのである。
でも、これだけ聞いただけでは、「それってなんだんねん」ってところだろう。却ってそうこなくっちゃ本書の存在意義も無いってこと。
知能(IQ)とは、明確な答えがある問いに対して、素早く適切な答えを導く能力。
一方で、知性とは、明確な答えがない問いに対して、その答えを探求する能力。
そう著者は定義し、その上で知性を発達させるにはどうするかを問う。
そして、その為に大切な要素こそがEQなのだと解を与える。EQがIQに加わることで、知識は知性へと昇華していくのだと。
で? とまた疑問に思う。知性を得たらどうなるの?
EQは、感情と思考を自己コントロールできる状態を生む。それはつまり、自己と他者との関係性を高めることへと繋がる力となる。
1990年にEQの概念と理論を発表したイエール大学のピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士は、「ビジネスでの成功には、学歴などに起因する能力(IQ)は20%、80%は対人間関係能力(EQ)による」と明言している。
そして、そのEQは後天的に高めることができるのだから安心して、と著者は言を続ける。
と言う訳で、そのEQを我と我が身に宿す方法について、本書ではSTEP1からSTEP4までに分けて詳述する。
簡単に言えば、いかにしてまず己を知るか。
次には、感情というじゃじゃ馬の様なパワーソースを乗りこなすにはどうすりゃ良いの? だ。
そのまた次には、どうやって相手をおもんぱかってやれる様になるか。
簡単に言えばとか言っても、全然簡単ではない。
まず、自分自身がどういう感情に基づいて、どんな価値判断基準で生きているのか、それを知ることだ。そして、それは生半可なことではない。
私自身、或る特別な環境に身を置いた為に、一種のスクリーニング効果を得て、自分が何を求め、どう生きたいのかを明確に知ることが出来たが、それだって四十歳を超えてからのことだった。
この本の中では、私の様な特別な環境に依らずとも、自分自身に向き合うことについて有用と思われる方途が記述されている。
それを知るだけでも、本書を読む価値は有るのではなかろうか。
いや、マジで。
何故ならば、あなたの感情は、あなたの価値観から生み出されているのだから。
心の知能指数を高める習慣
作者:三浦 将
発売日:2021年8月21日
メディア:単行本