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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】カンを鈍らせているのは思い込み? 『経営感覚を整えるためのカンのメンテナンス』

 

正解のないビジネスの判断では経営者は経験に基づくカンで判断をくだすことも少なくないそう。カンと言っても経験に基づいており、選択によって好転することが多いらしい。ただ、一度感覚がズレてしまうと負のスパイラルで、その多くが経営実態と経営者の感覚のずれが原因なのだそう。
この本では中小企業判断士の冨松さんが実際に担当した事例をもとに、何が原因で経営者のカンがずれ、そうしてどうやってカンを調律していったのかが記された一冊である。


なぜ調律すると書いたのか、コンサルとして上から目線でこれをやってくださいではなく、今あるデータに基づいて真の原因を経営者と一緒に洗い出し、本人に気づかせることでカンを取り戻させていたのでこう表現してみた。
真の原因に気づければさすが経営者で具体策を取るのも早く、そして正確で経営はしっかりと回復に向かう。
中には倒れる前より成果が上がる事例も少なくないからさすがである。

個人的には私がメーカー勤務ということもあり、製造業や商品開発の事例にはなるほどなと思うことが多く興味深く読めた。
思い込みの開発が実はニーズがなかったとか、アンケートで分かったニーズに答えた商品開発で増益とか
もっとこうなったら良い製品はありますか?とお客さんにちゃんと聞けていたか?
自分の仕事を見直すきっかけにもなった。

正直、冒頭ではデータを見て、並べて、分けて、比べて、当たり前のことばかり書いてるな〜と思ったが、事例を読んで
「現場に入っていて当人の立場だったら気付けただろうか?」とも思った。
客観的に見ることの大事さを知れて、かつ経営に煮つまった際の解決策の探し方を学ぶことができた様に思う。

経営者だけでなく、新社会人、働き始めの若手社員、はたまた経営に携わる中堅社員にも読む価値のある本である。
データがあるなら経営に限らず、困ったときに立ち止まって一度自分をチューニング(客観視かな?)し直す手法の学べる良い本だと思う。

思い込みの不協和音を聞き逃すな!笑