著者は中小企業診断士の冨松誠さん。
企業再建に関わるなかで経営者がもつカンの素晴らしさに気付くのとともに、そのカンが引き起こす問題にも直面します。
本書は、そんな良い面も悪い面も持っている『経営者のカン』を整えて、業績を立て直してきた著者のノウハウがしっかり凝縮されている良書になります。
経営者は海千山千超えてきた猛者であり、今までの自身の経験則に基づいて経営の困難を乗り切ってきました。しかし、時代が変わって現場も変わると自分の経験則が仇となってしまうケースもあります。そのような古い情報をもとに経営を行っていくことに対しては数字でメスをいれてバイアスを取り除き、フェアに判断できる状況にすることが重要になります。例を取り、本書にはそのような解決策が実例で挙げられているのがストロングポイントとなっています。
業績が伸び悩んでいる経営者や、今後起業を考えている方は一冊持っておくと助かると思います。