人々が抱えるその悩みの原因は、実は自分自身にあるのではなく、人類が生き残るためにインプットされた遺伝情報によるもの。
そのため、環境が変わり、危険にさらされることが少なくなった現代でも、人は安全なことにまで過剰にストレスを感じてしまう。
本書では著者の専門である認知科学、研究を続けている生物学、脳科学、心理学により人々の悩みの解決法について伝えている。
例えば、人見知りが直らない、ついつい食べ過ぎてしまう、情熱が湧かない、周りの評価が気になる、おかしいと思っても反対意見が言えない、注射をするときの痛みをとる方法等、本書で紹介する悩みは様々だ。
評者も最近複数の悩みが浮上してしまった。特に仕事では、会社を何とか良い方向へ転換させようと行動しても、なかなか難しい。
そのため、休みの日や早退したわずかな時間でも、楽しみで満たそうとすれば、年配部下たちから「どうしたらいいんだ」と何度も何度も電話がかかってくる。元々電話は嫌いだが、本当にうんざりする。
来年どころか来月の見通しも、全くわからなくなってしまったが、どんな悩みも本書で伝えるように、自分の身に危険があるものではない。
先はわからなくても、できるうちは一つ一つその時の最善を選択し、今を楽しみ、好きなことや面白いこと、美味しいもので満たし、本書が伝える「ホット&クール思考」を身につけ、今、この瞬間を大事にすることが、悩みの解決になるようだ。