子供の頃は紙とペンさえあればずっと絵を描いていたのに、大人になると驚くほど絵を描く機会ってなくなる。これは非常にもったいない。絵や図には、頭の中のイメージを伝える力がある。リアルタイムで、イメージを具体的に共有するのにもってこいのツールなのだ。
「なんでも図解」には多くのメリットがある。
複雑な内容も図であれば全体像を効率良く把握できたり、会議中のふとした意見も書き留めることで発言しやすい空気が生まれたり、説明力やプレゼンの精度もあがる。枠組みにとらわれないので、思わぬ発想の飛躍が生まれることもある。
丸や四角で囲んだり、矢印を描いたり。
「図解なんて学ばなくったって、適当に書けるでしょ。」と思いながら、本書を読みつつ途中で出てくるお題を解いてみると、これが案外難しい。
ステップ1 文章全体の意味を読みとる
ステップ2 キーワードを書き出す
ステップ3 囲み、矢印、人で表す
と一見簡単そうなのだが、まずステップ1 では文章には状態・構造、因果関係・変化、拡散・収束・収集の「3つの型」があることを理解していなければならない。そしてステップ2ではどのワードを抜き出すべきか迷ってしまう。「なんでも図解」は想像以上に奥が深い。
そういえば、東大生のノートには共通点があると聞いたことがある。それはノートを書くとき、黒板を丸写しせず、自分なりに噛み砕いて整理しながら書くということ。矢印や数字を活用することで、構造化、図式化する。まさに本書のような方法だと思った。
あとから人に説明できるように要約しながらノートを取ることで、ノートをとる目的がインプットではなくアウトプットになる。瞬時にアウトプットすることで情報が自分事化され、記憶に定着する。また、自分はどこが分からないのかが明確になる。これだけのメリットがあるのだから、学んでおいて損はないだろう。
「なんでも図解」に正解・不正解はない。「わかりやすいか・伝わるか」という点で自分の書いたものと比較しながらマイペースにブラッシュアップしていける。
やればやるほど楽しくなる図解の世界。爆速アウトプット術を手に入れたい人に是非おすすめしたい。