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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】何回か試みただけで万策尽きたなどと言ってはいけない。最善の上にも最善がある。『松下幸之助から未来のリーダーたちへ』

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松下氏は、貧しさ故に教育も十分には受けないまま、十代のうちから働きに出された。文字さえまともに書けないほどであったのだ。
そして体が弱く病気がちであった。
「社員を見ますと、私より偉いという感じがするのです」と言う。
だから、部下から意見を求めるし、『わしだったらやれないけれど、きみならやれる』と褒め、任せ、やらせる。
「衆知を集めて最善を得る」
ということだ。

また、未来のリーダーを目指す者に対して、経営者にとって一番必要な条件は、経営が好きであることであり、だれにも負けない熱意をもつことであると言う。
「だから、まず願う、心に期する。成し遂げなければならないという強い思い、願いがあれば、事はもう半ばなったといってもいい。そういうものがあれば、そのための手段、方法は必ず考え出されてくると思います」
さらに、何ごとでもやればできるんだということを力強く社員の人たちに訴えていくことが、指導者にとって大事とも説くのである。

そして、絶えず自己検証をすることを奨める。
経営や商売にはいわば無限のやり方があり、販売のやり方、広告宣伝の仕方、人材育成の方法といろいろ考えていけば、改善すべきところはいくらでも出てくる。したがって、絶えず見方を変え、常に新しいものの見方を加えて、必要な改善を行っていかなくてはならない。

「変化の激しい社会では、こうなるだろうと思ったことが必ずしもそうなるとはかぎりません。常に素直な心で謙虚に物事を見つつ、一歩一歩確実にやっていくことが大切なのはいうまでもありませんが、そのうえで、みずから時代をつくっていこうという積極的な姿勢が、きわめて大切なのではないでしょうか」

無論、時代の移り変わりによって、現代では通用しない様なこともあろうが、何年経とうと経営の根本に於いて共通することはあるものだと、思わされる一冊である。