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【書評】「ゴッホがいかにしてゴッホになったのか」『ゴッホ展~人生を変えたふたつの出会い~』

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本作では、フィンセント・ファン・ゴッホ氏の画家人生で描かれた作品とゴッホ氏に影響を与えたクロード・モネ氏、ポール・セザンヌ氏、ピエール=オーギュスト・ルノワール氏他、数々の画家の作品が同時に紹介されている。

また、ゴッホ氏の画家人生は、わずか10年ほどであったが、その間約2000点の作品を制作した。そのなかでも油絵は約860点描き、それは4日に1枚の驚異的なペースで仕上げられたとも言われている。これは、同時代に活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチ氏、ヨハネス・フェルメール氏、クロード・モネ氏と比べても遥かに多作なのだそうだ。

しかし、現在の世界的な知名度とはうらはらに、ゴッホ氏の生前に売れた作品は1枚のみであり、生活にも困窮していた。画家としての初期に制作された作品は、全体的に暗い色遣いが目立ち、農民や労働者、貧しい人々の生き方に共感し描いたようだ。現在人々が持っているゴッホ氏の作品イメージとは正反対である。

晩年に描かれたゴッホ氏の代表作「ひまわり」「麦畑」「糸杉」などは、色鮮やかなところが特徴的だが、それはパリに移り住み、印象派と呼ばれる人々との交流から色彩での表現の虜となり影響を受けたのだ。

本作の一番の見所は、ゴッホ氏の愛した作品「糸杉」である。空に届きそうなほど真っ直ぐに伸びた糸杉からは、自然のエネルギーを感じ、頭の中が「糸杉」でいっぱいになるほど糸杉に惹かれたそうだ。

「糸杉」「麦畑」「オリーヴ」は、繰返し描かれたモチーフである。視点の位置や色のバリエーション、構図を変えて数々の作品が制作されたところもゴッホ氏の作品の面白さでもある。

また、映画『永遠の門~ゴッホの見た未来~』でもゴッホ氏の作品が多数紹介されているため、ゴッホ氏の描いた世界をリアルに体験することができるのだ。

『永遠の門~ゴッホの見た未来~』
http://bookrev.horiemon.com/entry/2019/12/01/220000

 

 

ゴッホ展完全ガイドブック (AERAムック)

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  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2019/10/09
  • メディア: ムック