レストランで楽しい体験をしたいと思っている著者が、飲食店が元気になって、ますます活性化するためのポイントについてまとめている。
人気店の必須条件は「驚き」それを継続するには、素材や料理のためのリサーチが必要だと言う。なぜなら、お客さんは何が食べられるのか、どんなことが起きるのか、ワクワクを敏感に求めているからだ。
例えば評者も、目の前で調理しているところが見られるレストランは、とても楽しく、ワクワクする。また、素材の調達方法や料理のポイントやそのこだわりなどを教えてくれると、ますますそのレストランや料理に興味がわく。
さらに、食材にこだわり芸術作品のようで、美味しい料理を作れるシェフは、本当に凄いと思う。なかでも特に包丁さばきの上手な人は、とても尊敬する。
評者は一時、ザガットやミシュラン掲載のおすすめ店に食べに行ったり、あるスターシェフの味が気に入ると、そのレストランに行くことを目的にその国を訪れたり、気に入ればそのシェフの様々なタイプのレストランで味やお店の雰囲気を比べ楽しんだ。
食は命に通じることであるため、食にこだわりを持つということは、生きていく上でとても重要なことだと考える。
本書でも著者が認めた457店のリストが特別付録としてジャンルごとに掲載されているため、おすすめのお店を知りたい人は、是非参考にするといいだろう。
また、著者は経営者目線でレストランを見てみると「もったいない」と思うようなところが多くあるそうだ。おいしいものが作れる腕があっても、ビジネスとして成り立っていないところが多いと言う。
本書では、著者によるレストラン経営の悩み相談室がQ&A形式で設けられ、飲食店経営者の多くの具体的な悩みが掲載されているため、同業者でもまたそれ以外の人でも知識が得られて非常に面白い。
著者の経営者目線の話しはいつも非常に興味深い。誰でも常日頃からお客さんという立場だけではなく、経営者の目線を持って考え、行動することにより、様々な気づきが得られる。またそれは、新たなビジネスへと繋がっていくのだ。