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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】2勝10敗の経営理論『俺のイタリアン、俺のフレンチ』

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まず初めにこの本の著者である坂本孝氏はブックオフの創業者であり、俺のイタリアン、俺のフレンチを展開する俺の株式会社の創業者でもある。輝かしい実績と名声を手にする経営者だが、ブックオフ設立以前の戦績は、0勝10敗である。10敗した経験を踏まえて、ブックオフのみならず、俺のシリーズでも上場を視野に入れる、坂本氏の経営哲学とは何であろうか。

その答えは、この本においてシンプルな「競争優位性」という言葉で説明されている。俺のシリーズの競争優位性とは、一流料理人が原価を抑えず顧客満足度の高い料理、サービスを提供することにある。飲食店経営を知る人、事業を行っている人はこれを、競争優位性と聞いてびっくりするまたは、呆れてるかもしれない。なぜならば、飲食ビジネスにおけるトレンドは、高単価かつ原価を抑えることに主眼が置かれているからだ。坂本氏も、この経営方針に対して、道楽で商売をやっていると批判や嘲笑されたと語っている。ただし、俺のシリーズはこの競争優位性を回転率にこだわることで数字上で勝てることを説明づけている。そして、この仮説をより実績に近づけるべく、人材雇用、エンゲージメント、オペレーション等に日々カイゼンを施していき、競争優位性を強化していくというものだ。

回転率をあげるべく集客し続けることは、飲食店に置いて容易なことではないが、そこに焦点を絞りあらゆるカイゼンを施していく考え方は、トレンドや理想のみを追いかけ数字に置き換えない経営者や創業者がまず一勝を積み上げる上での良書といえる。

 

俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方