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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】面倒な人間が増えたいま『いまこそアダム・スミスの話をしよう』

書店に行くと「好きなことで食べていく、会社〇隷解放宣言」などのタイトルの本が多く出版されていると感じる。また、自分探し系や幸せ系の書物も多い。

仕事は社会の必要によって生まれるものであるため、社会が変化すれば当然、仕事も変化する。現代では特に「個性」が重要視されているのかもしれない。私はその「個性」という言葉にある種、無秩序のようなものを感じるときがある。「やりたいことをやる」ということは個人の勝手であるが、その裏に「他人は関係ない」という他者を軽視したかのようなニュアンスを持つ人が少数いると感じる。

社会を構成する人間の割合で「他者を軽視」する人が多くなっていくとどうなるのか。それは「バカと付き合うな」という本が売れる世の中になっていることにつながる。「個性」をはき違えたために承認欲求と大いなるエゴを炸裂させ注目を集めたがる「大きい子供」みたいな人が増えた気がする。

社会は誰もあなたの未熟なエゴと個性なんか待っていない。なんだったらそういった承認欲求モンスターに承認欲求(エサ)を与えることができるくらいの余裕を持った「大人」を社会は待っているのだ。

気づいてほしい。自分のことばっかり話す人よりも人の話を聞く人のほうがモテることを。
つばを吐き散らしながら大いなる野望と夢を語る人よりも、落ちているごみを拾ったりきれいに掃除してくれる人が好かれることを。

線引きをしよう。アダム・スミスは人間はもともと他者に配慮できる生き物であり、その感受性があるので「利己的」に行動しても社会は大丈夫であると説いている。

個性をはき違えた人にこの本で秩序を、利根川のスピーチを捧げる。

いまこそアダム・スミスの話をしよう?目指すべき幸福と道徳と経済学?

いまこそアダム・スミスの話をしよう?目指すべき幸福と道徳と経済学?