「淵にグッピーを放すと生態系に重大な変化が起きることがわかってきた」
放す前にわかるわ!
この本は真面目な遺伝学の本だが、実験をする学者の行動がとにかく面白い。
上の実験はグッピーの体色、模様、行動の変化を観察したかったそうだ。野生のグッピーを捕まえてきて養殖、捕食者(パイクシクリッド)と同じ水槽にしたりもしている。
別のグループはトカゲだ。
捕食者(ゼンマイトカゲ)がいるとアノールトカゲの足が短くなり、木に逃げやすく進化することを確かめるために、本来はその島には存在しないゼンマイトカゲを放した。
お前もすんのかい!
そして、巨大ハリケーン「フロイド」により島は6時間ほど海に沈み、トカゲは全滅する。
まさしく「自然淘汰」だ。
懲りない彼らは違う12の島全部のトカゲを捕まえ、識別のためゴム色素を注入した。そして、再度ゼンマイトカゲを6つの島に放す。
この実験は数年でトカゲが進化するといった快挙を記録したが、ハリケーン「フランシス」、「ジーン」のダブルパンチを喰らいトカゲは全滅した。
遺伝の本として読んでも面白いですが、学者の行動に注目してみるともっと面白い。
こんな学者・・ダメじゃん
いえいえ、こんなんじゃないと新発見は出来ないんです!
生命の歴史は繰り返すのか?ー進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む
- 作者: Jonathan B. Losos,的場知之
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2019/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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