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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】人間だからこそ出来る具体と抽象の行き来『具体と抽象』

「具体」「抽象」という言葉を聞いた時、あなたはどのようなイメージを浮かべるだろうか。
「具体」はわかりやすく、「抽象」はわかりにくいとイメージする人は少なくないだろう。
だが実際は具体と抽象を使いこなすことで、よりよい人間活動ができるようになる。

「抽象化」というワードを使うと、頭のいい人間だけが行なっている行為に見えがちだ。
しかし我々は普段からこの「抽象化」を使用している。
数や言葉がその代表例だ。
3本の木や3匹の猫を3という数字で表していること。
鮭や鮪を魚という言葉で表していること。
共通項をまとめた数や言葉があるおかげで、一々具体的な話をしなくても我々は会話ができる。

私はなぜ国語や数学をあれだけ膨大な時間をかけて学ぶのか疑問に感じていた。
だが本書を読んで、上記科目が「抽象化」を学んでいるということに気がついた。
具体レベルでは実生活に直接役に立たないかもしれないが、共通項をまとめた抽象レベルであれば応用が効きやすい。
これを学んで何の意味があるのか、と考える前に応用の幅を広げるための勉強だと考えたい。

よく話が噛み合わない時がある。
本書に乗っ取れば恐らく具体と抽象のレベルが違ったまま話してしまっているのだろう。
今具体的は話をしているのか。
それとも抽象的な話をしているのか。
噛み合わないと感じた時は、今の具体抽象のレベルはどのあたりかを一度立ち止まって考える意識をしていこうと思う。

具体と抽象を行き来出来ることを当面の目標としたい。
日々の仕事や会話の中で、具体抽象の段階を意識する。
ノートに日々書いている具体的な出来事を抽象化し、さらに別分野で具体化できるように日々思考活動していきたい。

具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ

具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ