本書はタイトルの通り、部下の4種の指導方法について分かりやすく物語形式で書かれている本である。
部下の指導方法には4種類ある。①指示型、②コーチ型、③援助型、④委任型。
①指示型は完全に指示を行い指示通りに部下を動かす方法。
②コーチ型は指示をするが「他に良い方法はある?」と部下の意見も聞く方法。
③援助型は目的を伝え「どうしたらいい?」と、指示をせず意見を聞き決めていく方法。
④委任型は指示も援助もせずに、目的だけを伝え後は任せる方法。
これらを部下ごとにだけでなく、仕事ごとに使い分けることができるのが状況対応型リーダーだ。
勉強で例えると数学が得意な子には自分で勉強させて「わからないとこがあったら聞いてね」といい、数学が苦手な子には手取り足取り教えるといったら分かりやすいだろうか。科目ごとに教え方を変える必要があるのもうなづけるだろう。
さて、ここで出てくる疑問は「どうやって使い分けるの?」だが本書ではもちろん詳しく書いてあるが、今回は発達段階のみお伝えしよう。
人には以下の順で発達段階がある。
①やる気が高く、スキルが低い。→指示型
②やる気が低く、スキルは普通。→コーチ型
③やる気が普通、スキルが高い。→援助型
④やる気が高く、スキルが高い。→委任型
新入社員などはやる気が高くスキルが低い、この場合は指示を丁寧に行うのがよく、スキルがついてくると指示だけではやる気が下がる。その場合は意見を取り入れ始める。やる気もスキルが高くなると、委任しても仕事がまわるようになる。このような順で指導を行うと良いと思う。
評者は教員免許も持っており、塾講師を6年間ずっと行っていたこともあるが、非常にうなづける内容だった。無意識のうちこの4種をに使い分けた指導をしていた。会社員でもうなづけることが多いのではないだろうか。
人に物を教えることが少しでもある人すべてにオススメの本である。なお、30年経ち改定されたバージョンもありそちらでは、部下から上司への影響のかけ方も書いてあるという。合わせてオススメする。
- 作者: K.ブランチャード,小林薫
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1985/09
- メディア: 単行本
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